2006年02月27日

『イーリアス』日記

 昨日街の書店にいて目にとまった書籍です。
『『イーリアス』日記』森山康介
俳人の森山康介氏が、『イーリアス』を、一年を通じて読みながら、取られた随想集とのこと。
365日、毎日の日付で編まれています。『イーリアス』は、原文で引かれています。
春風社2005年8月刊

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2006年02月25日

お気に入りリンクに加えたもの

 サイドバーの「お気に入りリンク」に、Wikipedia のギリシャ語の説明のページと、ギリシャ語版Wikipedia を加えました。けれども、URL に、双方とも英文字以外が使ってあるので、サーバーに送信した所で、改変してしまい、つながらないようです。
 ギリシャ語説明のページは、
http://ja.wikipedia.org/wiki/ギリシャ語
です。
 ギリシャ語版Wikipedia は、ギリシャ語が使ってあるので、ここにコピー・記入しても、やはり、送信後に、?になってしまうでしょう。サイドバーにあるリンクでつながったページの左上のWikipedia の図をクリックすることでつながります。

 さて、フィロさんの、ギリシャ語タイピングFLASH も完成ということなので、これも、サイドバーに加えました。
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2006年02月24日

クルミの木

 イソップ説話に、「榛の木」という話があります。英語では、榛は hazel です。道端に生えた榛の木は、通りがかりの人びとに石を投げられる、というものです。富を持っていると、災難に遭うということのようです。
(岩波文庫『イソップ寓話集』中務哲郎訳)
 さて、僕の持っている現代ギリシャ語のイソップ説話集(118Μυθοι )には、「くるみのき」になって収めてあります。どちらが、おいしいのかは好みの問題でしょうか?
 この説話の第一行を読んでみます。

ΜΙΑ ΚΑΡΥΔΙΑ ειχε φυτρωσει κονδα σ' εναν πολυσυχναστο δρομο.

 最初の二語は大文字になっていますけど。
さて、καρυδια が、クルミの木という女性名詞です。walnut-tree です。
で、καρυδι が、クルミ(の実)という中性名詞です。ι 語尾の中性名詞は、複数がια ですから、語だけでは同じになってしまいますね。冠詞があるので、η καρυδια と、 τα καρυδια で、見分けがつきますけど。
 ついでに、hazel は、木が、η φουντουκια。実が、 το φουντουκι です。
実がいっぱいなっているのが木、というふうにも見えます。

 『イソップ寓話集』では、「道端に生えた榛の木」というだけの叙述です。(原文は分かりません。)文の主語となっています。上の現代文は、その部分の内容を、一文にしたものか知ら。

 μια は、不定冠詞です。女性主格。「ある一本の」という意味です。
 ειχε φυτρωσει は、三人称活用の動詞で、過去完了時制です。
φυτρωνω が原型です。「発芽する」という意味。
 κονδα は、副詞で「近くに」という意味。後の前置詞σε と一緒に前置詞句になっています。
 εναν は、不定冠詞、男性対格。
 πολυσυχναστο は、形容詞、単数男性体格。「繁華な」。複合語ですけど。
 δρομο は、男性名詞、単数対格です。δρομοs 「道」です。

 おおよその意味は、すぐに分かると思います。
「一本のクルミの木が繁華な道の近くに芽を出していたのです。」
でも、やっぱり表現の面白さがあります。
ΜΙΑ ΚΑΡΥΔΙΑ υπαρχε κονδα σ' εναν πολυσυχναστο δρομο.
でも、十分に説明できているのでは、と思うからです。
( υπαρχω 「ある」。)
φυτρωνω を使うと、地面を割って出て来た、という感じが湧きますから。話題の大根さんのようにです。
φυτρωνω は、「芽を出す」というだけの意味のようですけれど、ξεφυτρωνω という語では、「どんどん伸びる」という感じがあります。
 それに、φυτρωνω は、 φυση 「自然」という語が辞書上で、近くにあって関連を思わせますし。(φυσω は、「生きを吹きかける」。)
 日本語の「生えている」(これって現在完了?)だと、動いている生命感はあまり感じないですね。それに「生える」と「芽を出す」は随分違うし…

現在時制にしてみますと、
ΜΙΑ ΚΑΡΥΔΙΑ φυτρωνει κονδα σ' εναν πολυσυχναστο δρομο.
でも、φυτρωνει は、「生えてる」と言う感じで使っているみたいです。日本語の「生えてる」という方が難しいのか知ら。
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2006年02月22日

Η Ελληνικη Υπηρεσια του BBC εχει κλεισει.

 昨日、だったと思うのですけれど、セサロニキに地下鉄建設の計画、という記事を見ました。多分、ERT on Line だったと記憶するのですけれど。そのとき、写しを取らなかったのです。で、今日になって、もう一度、見ると、新しい記事になっていてありません(当然ですけれど)。セサロニキ、メトロで検索しても出てこないし…。他の新聞にないかなと、探してみました。
 BBC のニュースにはどうだろうと、見てみました。と、「Η Ελληνικη Υπηρεσια του BBC εχει κλεισει.」のアナウンス。落胆しました。Launguages のGreek は、まだありました、よかった。
BBC Launguages
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2006年02月21日

文中から前置詞を見つける

 動詞には、δεν、θα のように、動詞の性格を変える小さな語がありました。これは、その小辞と動詞だけでなされるものでした。
 ところで、動詞の示している動作を、より詳しく叙述しようとする表現が必要になることは、よくあります。
 その場合には、また別の小さな語を使用します。前置詞です。前置詞に導かれて、実詞、あるいは、να -節が、動詞と結びつけることが出来ます。それによって、動詞が向かう方向や、手段、状況などが表現できます。
 前置詞は、文中に、単独で使われることはありません。必ず、実詞か、節をともないます。最も頻繁に使われる前置詞は、με、σε だと思います。これは、代名詞と同じ形なので、間違えるかもしれません。けれども、代名詞は単独で使われているので、見分けられると思います。
 前置詞には、前置詞だけのものと、接頭語になり複合語を作るものとがあります。
 前置詞だけのものは、
με、σε、για、χωριs(〜なしで)、ωs(まで)、εωs(まで)、ισαμε(まで)、μεχρι、πλην(〜を除いて) などがあります。
με は、英語のwith のように、付帯を示したり、手段を示したりします。
γιαは、英語のfor のように、方向を示したり、理由を示したりします。
σε は、英語のto のように、方向や目的を示します。また、σε は、後の冠詞と一体になります。στον、στην、στο のように。
これらは、後に続く実詞は、対格です。
属格が続く前置詞には、
μεταξυ(〜の中に)、εναντιον(〜に反して)、ανευ(〜のない)、ενακα(〜のために)、ενωπιον(の前で) などがあります。
後に置かれるものもあります。
χαριν [属格+χαριν](利益・目的・理由)のために
慣用表現:λογου χαριν (例えば)略表記:λ.χ. 、παραδειγματοs χαριν (例)略表記:π.χ. 。
 接頭語になるものには、
αντι(の代わりに:属格)、απο(〜から)、επι(の上に)、κατα(の方へ)、μετα(の後)、παρα(並んで)、υπο(下に)、δια(ために)、αμφι(回りに)、περι(まわりに)、προ(の前に)、προσ(関して)、συν(と共に)、υπερ(賛成して)があります。

Χορευω με την αδελφη μου.(わたしは妹と踊る)
Χορευω με να τραγουδω.(わたしは歌いながら踊る)
Χορευω στην σκηνη.(わたしは舞台で踊る)
Χορευω για τον αδελφο μου.(わたしは兄のために踊る)
Χορευω χωριs μουσικη.(わたしは音楽なしで踊る)
Χορευω αντι τηs μητεραs μου.(わたしは母の代わりに踊る)
Χορευω ωs την νυχτα απο το πρωι.(わたしは朝から晩まで踊る)
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2006年02月19日

γ

Γ,γ
文字の名前は、「ガンマ」。
読み方は、「ガ」。子音。
他の子音との合成には、γδ,γλ.γμ,γν,γρ,γχ があります。


Στην γαλαζια γαληνη,
Οι γονιειs και ο γιοs γελασαν,
γιατι η γλωσσα ειναι γονιμη.
Γενικα,
μαs γνωριζει τα γλυκα γραματα και η γευση.
Τα γραματα γουσταρουν τιs γλωσσεs,
γιατι η γνωση θα γυριζει για την γλωσσα του γερακιου.
Το γερακι εγραφε πωs γενηθηκε και ποσο ειναι γερασμενοs,και η γη.
Αυτη ειναι στον γυρο του Γαλαξια.
Ο Γαλαξιαs ειναι το γυαλι.
Αυτη θα γλιστρησει με το γονατο τηs για το γευμα.
Και θα γλειψει με την γυναικα τηs γειτονιαs το γαλα .
Γεια σαs.



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2006年02月17日

文中から形容詞を見つける 3

 形容詞で、 -οs/-η/-ο 以外の語尾を持つ物を覚書します。

 まず、計量の形容詞に、違った語尾を持つものがあります。
語尾は、-υs / -ια / -υ です。(υ/α/υ にアクセント。)
βαθυs(深い)、βαρυs(重い)、ελαφρυs(軽い)、μακρυs(長い)、πλατυs(広い)、φαρδυs(広い)など。
ο βαθυs /του βαθιου / τον βαθυ
οι βαθιοι / των βαθιων / τουs βαθιουs

η βαθια / τηs βαθιαs / την βαθια
οι βαθιεs / των βαθιων / τιs βαθιεs

το βαθυ / του βαθιου / το βαθυ
τα βαθια / των βαθιων / τα βαθια

 この語尾で、女性形が-εια になるものがあります。
この語は、女性形と、中性形が、そのまま名詞に使われます。
οξυs /οξεια(鋭アクセント) / οξυ(酸)  「鋭い」と言う形容詞
ταχυs / ταχεια(急行列車) /ταχυ(朝)  「速い」という形容詞
δριμυs / δριμεια(?) /δριμυ(?)      「鋭い」
τραχυs / τραχεια(気管) / τραχυ(?)   「ざらりとした」
βραδυs / βραδια(夕方) / βραδυ(夕方) 「遅い」

 -υs の語尾を持つ文語があります。それは、単数男性・中性の属格が、-εοs 。複数男性主格・対格が、-ειs 。中性主格・対格が、-εα です。


 次に、色の形容詞に、違った語尾が見られます。
語尾は、-ηs / -ια /-ι です。(η/α/ι にアクセント。)
ασημηs(銀色の)、βυσσινηs(深紅色の)、κανεληs(黄褐色の)、καφετηs(茶の)、λαδηs(オリーブ色の)、μενεξεδηs(菫色の)、χρυσαφηs(金色の) など。

ο ασημηs / του ασημιου / τον ασημη
οι ασημιοι / των ασημιων / τουs ασημιουs

η ασημια / τηs ασημιεs / την ασημια
οι ασημιεs / των ασημιων / τιs ασημιεs

το ασημι / του ασημιου / το ασημι
τα ασημια / των ασημιων / τα ασημια


 また、男性主格が-ηs のものには、古典語から再生されて、現代語に使われている語があります。この語尾は、また違っています。
男性、女性の語尾は同じ-ηs です。中性が違います、-εs です。

ο(η) συνεπηs / του(τηs) συνεπουs / τον(την) συνεπη
οι συνεπειs / των συνεπων / τουs(τιs) σνεπειs

το συνεπεs / του σνεπουs / το σνεπη
τα σνεπη / των σνεπωμ / τα σνεπη  「約束を守る」


 それから、複数の語が合成された形容詞には、違った語尾変化を持つ物があります。
単数主格 -ηs / -α / -ικο
複数主格 -ηδεs / -εs / -ικα の語尾を持つものです。
μακαρθμλληs(髪の赤い)、φιλομαθηs(勉強熱心な)などです。

「頑固な」
ο πεισματαρηs / του πεισματαρη / τον πεισματαρη
οι πεισματαρνδεs / των πεισματαρηδων / τουs πεισματραηδεs

η πεισματαρα / τηs πεισματαραs / την πεισματαρεs
οι πεισματαραρεs / των πεισματαρηδων / τιs πεισματαρεs

το πεισματαρικο / του πεισματαρικου / το πεισματαρικο
τα πεισματαρικα / των πεισματαρκιων / τα πεισματαρικα


 これらの形容詞の比較級は、πιο を使います。形容詞語尾変化の比較級は出来ません。


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2006年02月14日

『音によるギリシャ旅行』

 キングインターナショナルのweb-page を見ていたら、Skalkottas の作品集が二月に発売というのが目にとまりました。『音によるギリシャ旅行』バイロン・フィデツィス 指揮のアイスランドSO 。

タワーレコード店で

HMV 店で

キングレコード

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2006年02月13日

ギリシャ語のポッドキャスト

 何を検索していて見つけたのか、すっかり忘れてしまいましたけど、ブックマークしていたギリシャ語のブログを、今日、開けてみると、ポッド・キャストがついていました。
 たぶん、ギリシャ語なんでしょう。僕は、iPodも持っていないので、試していませんけれど、とりあえず、メモしておきましょう。
vrypan net


I have one bookmark which I had forgot when and why I did marked. It is Greek's blog. Today, I open it and find Podcast in it.
That Podcast may speaks in Greek,I think. but, I haven't iPod, so never try it.
Any way, I think it is better to note it.
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文中から名詞を見つける 2

 名詞の語尾変化の異なっているものを覚書します。

 男性名詞、女性名詞で、語尾にアクセントのあるものは、異なった変化があります。単数の変化にはかわりがありません。複数の語尾に固有の変化があります。
 語尾の母音と、可変の子音の間に、δ が入ります。

男性名詞
ο ψαραs(漁師)
単数主格、ο ψαραs。属格、 του ψαρα。対格、 τον ψαρα。
複数主格、οι ψαραδεs。属格、 των ψαραδων。対格、τουs ψαραδεs。

ο παππουs(おじいちゃん)
単数主格、ο παππουs。属格、 του παππου。対格、 τον παππου。
複数主格、οι παππουδεs。属格、 των παππουδων。対格、 τουs παππουδεs。

女性名詞
η γιαγια(おばあちゃん)
単数主格、η γιαγια。属格、 τηs γιαγιαs。対格、 την γιαγια。
複数主格、οι γιαγιαδεs。属格、 των γιαγιαδων。対格、 τιs γιαγιαδεs。

η αλεπου(キツネ)ちょっとかわった語尾です。
単数主格、η αλεπου。属格、 τηs αλεπουs。対格、 την αλεπου。
複数主格、οι αλεπουδεs。属格、 των αλεπουδων。対格、 τιs αλεπουδεs。

また女性名詞で、語尾が-ση、-ξη、-ψη のものは、また違った変化を複数に持ちます。δではなく、εが入ります。

η λεξη(ことば)
単数主格、η λεξη。属格、τηs λεξηs。対格、την λεξη。
複数主格、οι λεξειs。属格、των λεξεων。対格、τιs λεξειs。



 中性名詞で、異なった変化を持つものには次のようなものがあります。
語尾が、-ον、-αν、-ενのもの。
το προιον(産物)
単数主格、το προιον。属格、του προιοντοs。対格、το προιον
複数主格、τα προιοντα。属格、των προιοντων。対格、τα προιοντα
το συμπαν(宇宙)
単数主格、το συμπαν。属格、το συμπαντοs。対格、το συμπαν。
複数主格、τα συμπαντων。属格、των συμπαντων。対格、τα συμπαντα
το φωνηεν(母音)
単数主格、το φωνηεν。属格、του φωνηεντοs。対格、το φωνηεν。
複数主格、τα φωνηεντα。属格、των φωνηεντων。対格、τα φωνηεντα。
-αsのもの。
το κρεαs(肉)
単数主格、το κρεαs。属格、του κρεατοs。対格、το κρεαs。
複数主格、τα κρεατα。属格、των κρεατων。対格、τα κρεατα。
-ωsのもの。
το φωs(火)
単数主格、το φωs。属格、του φωτοs。対格、το φωs。
複数主格、τα φωτα。属格、των φωτων。対格、τα φωτα。
-οsのもの。
το γεγονοs(出来事)
単数主格、το γεγονοs。属格、του γεγονοτοs。対格、 το γεγονοs。
複数主格、τα γεγονοτα。属格、των γεγονοτων。対格、τα γεγονοτα。


 中性名詞には、動詞から派生したものがあります。-ιμο の語尾を持つものがそうです。
 全ての動詞が、語尾を-ιμο にすれば、名詞になれるのではありません。条件があります。語尾-ω にアクセントのない動詞で、しかも、2音節のものに限ります。
 アオリストの形状を元にします。語頭のε は付けません。変化語尾の-α を除き、-ιμο を付けます。
το παιξιμο(遊び)、το τρεξημο(走ること、ランニング)などです。
posted by kyotakaba at 13:22| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月12日

文中から冠詞を見つける

 名詞を説明したときに、冠詞も一緒に示しておきました。けれども、また、冠詞だけについて、覚書を書いておきます。

 冠詞には、定冠詞と不定冠詞があります。
 定冠詞は、男性冠詞が、ο。女性冠詞が、 η。中性冠詞が、 το です。
単数・複数の区別と、格による変化があります。
 定冠詞は、後に続く実詞(名詞)が限定的であるか、周知であることを明らかにするために使用されます。
Δεσε τον σκυλο, γιατι θα ερθε ο φιλοs μου.
(犬を繋ぎなさい、友人が来ますから。)
冠詞によって、犬が自家の飼い犬だと示しています。また、友人が、話者の友人だと限定して示しています。

Ο σκυλοs ειναι πιστοs συντροφοs.
(犬は、忠実なパートナーである。)
冠詞は、犬が聞き手にも周知のものだと前提していることを示しています。
また、この場合は、同類の個人あるいは物の全体を示しています。
「犬というものは、忠実なパートナーである。」

冠詞の変化は、
男性単数主客が、ο。属格が、 του。対格が、 τον。
男性複数主格が、οι。 属格、των。対格が、 τουs。
女性単数主格が、η。属格が、 τηs。対格が、 την。
女性複数主格が、οι。属格、 των。対格が、 τιs。
中性単数主格が、το。属格が、 του。対格が、 το。
中性複数主格が、τα。属格、 των。対格が、 τα。

 不定冠詞は、男性が、εναs。女性が、μια。中性が、εναです。
格による変化があります。けれども、複数はありません。
 不定冠詞は、後に続く実詞が、不確定であるか、周知でないことを明らかにするために使用されます。

変化は、
男性主客が、εναs。属格が、 ενοs。対格が、 εναν。
女性主客が、μια。属格が、 μιαs。対格が、 μια。
中性主格が、ενα。属格が、 ενοs。対格が、 ενα。

 しばしば、現代口語では、不定冠詞のかわりに、不定代名詞を用います。
不定代名詞には、複数もあります。(καποιοs、 καποια、καποιο)

1. Διαβαζω το βιβλιο.
2. Διαβαζω ενα βιβλιο.
3. Διαβαζω βιβλια.
1の文は、ある一冊に限定しています。「わたしはあの本を読みます。」
2の文は、一冊というだけで、どの本かは分かりません。「本を読みます。」
3の文は、本というだけで、どの本か、また、その数も不定。(冠詞省略)

 冠詞の省略には、次のような場合があります。
 定冠詞の場合では、
多くあるものの内、その一つを確定することに重点がある場合です。
Το πρωι πινω γαλα και τρωω ψωμι.(朝には、牛乳を飲み、パンを食べます。)
これは、色々ある食物から、牛乳、パンを特定しています。

 不定冠詞の場合では、まず、否定文には、冠詞を用いません。
それから、まったく限定されず概念化された語の場合には、省略します。
βλεπω τηλεοραση.(わたしはテレビを見る。)



 定冠詞τοは、構文を作ります。
Το να ταξιδευειs ειναι ωραια.
(あなたが旅行されるのは、すばらしいです。)
Το πωs περασα αυτη τη νυχτα,δεν λεω.
(わたしがあの夜をどのように過ごしたかを、言わない。)
Το ποσο πολυ η Γεωργια αγαπαει τον Πανο φαινεται.
(ヨルギアがパノスをどれくらいつよく愛しているかは、分かる。)
Το οτι ζει σε μεγαλο σπιτι δεν θα πει οτι ειναι πλουσιουs.
(大きな家に住んでいるということは、裕福だということにはならないだろう。)
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2006年02月11日

文中から動詞を見つける 8

 分詞を広辞苑で見ると、「動詞が変形し,形容詞の機能を持つ。インド-ヨーロッパ語族の諸国語に見られ,英語では現在分詞・過去分詞がある。」とあります。「〜する・・」「〜された・・」ですね。でも,分詞構文の分詞って、形容詞の機能なのかなあ…。(どうも、文法用語ってピンと来なかったりして)
 さて、現代ギリシャ語にも、動詞が、人称や時制によるのではない変化を受けているものがあります。機能が変化させられています。分詞です。言葉を連ねる表現をするために用いられます。能動相の分詞と、中動相・受動の分詞があります。

 能動相の分詞には、現在分詞と現在完了分詞があります。現在分詞は、動詞そのものが変化しています。現在完了分詞は、現在完了時制と同じく、当の動詞の前に、εχω が置かれ、そのεχω が、分詞化されます。
 分詞の形は、動詞の語幹に、-ονταs を付けて作られます。人称、時制による語尾の変化はありません。
 λυνω の現在分詞は、λυνονταs です。現在完了分詞は、εχονταs λυσει です。
 語尾の-ω にアクセントのあるものは、-ωνταs を付けます。
 ρωτω の現在分詞は、ρωτωνταs。現在完了分詞は、εχονταs ρωτησει です。
 能動相の分詞の機能は、連用表現をすることです。副文を作ることもあります。主文の動詞の状況をより詳細に叙述する副文です。τροτιο 様態、χρονο 時間、αυτιο 理由、υποθεση 仮定を示します。
 Ο Νικοs φευγει τρεχονταs.
 (ニコスは、急いで出掛けた。)
 Σουντησα την Μαρια, πηγαινονταs στη δουλεια.
 (私が事務所に行った時、マリアに会った。)
 Η Μρια τρεχονταs εσπασε το ποδι τηs.
 (マリアは走ったために足を折ってしまった。)
 Δουλευονταs, θα αγορασειs αυτοκινητο.
 (あなたが働いたならば、自動車が買えるでしょう。)
副文の現在分詞の、動作の主体は、主文の動詞と同じです。


 中動相・受動の分詞は、連体表現をします。名詞を修飾します。あるいは、形容詞と同じように、補語に使われます。現在完了分詞であることが一般的です。(動詞の活用をまとめた『ΤΑ ΡΗΜΑΤΑ ΤΗΣ ΝΕΑΣ ΕΛΛΗΝΙΚΗΣ』を見ると、現在分詞があるものもあります。例えば、διαλουμαι(崩壊する)、現在分詞は、διαλουμενοs。現在完了分詞は、διαλυμενοs です。)
 分詞の形は、動詞の語幹に、-μενοs を付けて作られます。
中動相アオリスト語尾が、-χτηκαのものは、γμενοs。
-φτηκαのものは、μμενοs。
-στηκαのものは、σμενοs。
-ευτηκαのものは、εμενοs、または、ευμενοs。
中動相現在形語尾が-αινομαιのものは、αμενοs。
 語尾οs は、形容詞と同じ変化をします。修飾する名詞の性と数に応じます。
 Ο Κωστωs εχει παντρευτει απο το 1986.
 (コースタスは1986年から結婚している。)
この現在完了の表現を、分詞を使うと、
 Ο Κωστωs ειναι παντρεμενοs απο το 1986.
となります。
 Ο Κωστωs και Η Μαρια ειναι παντρεμενοι απο το 1986.
このように、主語の数に応じます。

 変った変化のものは、
δοσμενοs(δινω 与える)、καμενοs(καινω 焼く)、ειπωμενοs(λεω 言う)、πορμενοs(παιρνω とる)、σταλμενοs(στελνω 送る)、φαγωμενοs(τρωω 食べる)、ανεβασμενοs(ανεβαινω あがる)、κατεβασμενοs(κατεβαινω おりる)
などです。


 川原辞書を見ると、τρεχων が、受動完了分詞とされています。「走っている」という意味で、現在時制の形容の表現のようです。カサレヴサという古い形を残した語です。このような語は、他にもあるのでしょう。
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2006年02月09日

フィロさんのギリシャ語タイピングFLASH

フィロさんのギリシャ語タイピングFLASH
英語キーで打てるので、いいです。
フィロの村
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転がる石

 ボブ・ディランの「ライク ア ローリング ストーン」の歌詞をwebで調べてみました。幼・少女期は、裕福に過ごした女性が、成人した後、零落した様子を歌っているようです。すると、a rolling stone は、惨めで、寄辺のない様という意味合いは、持っているようです。道端に落ちている、蹴り飛ばされるような、小さな小石なのでしょう。米国では、「A rolling stone gahers no moss.」は、転地(転職)をすれば、常に新鮮でいられる、と言うような、肯定的な場面で使われるようです。けれども、言葉のa rolling stone だけからは、誰からも顧慮されない卑小な人物、という感じがあるのではないでしょうか。
 このように書きますのは、自分が、思うこともなく前提にしていたものがあるのに気がついたからです。
「転石苔むさず」の石は、大きな石だというのが、その前提です。それは、「石の上にも三年」の座れる程の大きさの石と、結びついていたからでしょうか。それに、転がる石、といわれて、想像するのが、「落石注意」の看板にあるような石だったからでしょう。
 文は、どうしても、自分の育った文化背景からの理解になりがちです。最初に採り上げたことわざで、反省できたのは、幸いでした。
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2006年02月06日

波に転がされる小石

 ことわざ"A rolling stone gathers no moss. "を採り上げたのですけど、後になって考えたことがあります。
このことわざを最初に聞き知ったのは、中学生の頃でしょうか。「転石苔むさず」という漢語調だったのではないかと思います。「石に上にも三年」や「点滴石を穿つ」と組みになって、忍耐を説くことわざと聞いたようです。
 ことわざから浮かぶ情景は、山の中です。それも、深い山中です。修行僧の厳格な姿も浮かびます。
 でも、古典ギリシャ語のものは、全然、違った情景を誘います。海の情景です。φυκια は、「海藻」なので。波に転がされている小石が見えるようです。なんだか、ギリシャ的で、いいなあ、なんて思います。
 でも、「波に転がされる小石は海藻をつけない」というのだと、「転石苔むさず」とは、意味合いがかなり違うと感じます。ギリシャ悲劇の世界は、力の世界だとは、シモーヌ ヴェイユ の言葉でした。同じ力の世界が、このことわざにも垣間見える気がします。「波に打ちつけられても、動じない程の大きな岩なら、海藻を生やすのに、波の力に翻弄される小石は、何も身につけられない。」と言う意味が感じられます。
 このことわざは、「小物は、畢竟、小物」という残忍な世界への抗いの言葉だと信じたいです。
 ところで、ボブ・ディランの「ローリングストーン」は、どういう歌詞なのでしょう?
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2006年02月05日

転がる石に苔は生えない

 ギリシャ名言集から、始めに採り上げるのには、やはり、よく知った文がいいので、これにします。
 A rolling stone gathers no moss.
柳沼先生の岩波文庫『名言集』には、もともとギリシャの諺で、それがラテン語に訳されて、英語になったもの、と説明がされています。ギリシャ語の前があるのかないのかは、わかりませんけど。
 これを採り上げた理由は、他にもあります。それは、連体形の表現です。「転がる石」という、日本語の連体形の表現を現代ギリシャ語では、どうするのか、という疑問があったからです。英語では、現在分詞が連体形の表現をしています。ところが、僕の覚えた限りの現代ギリシャ語では、現在分詞は、方法や、理由、時間、前提の副文を主文に加える表現だけで、体言に続くような用法はないのです。
 機械翻訳では、
Μια κυλωνταs πετρα δεν συλλεγει κανενα βρυο.
と、-νταs の現在分詞を名詞の前に置いていますけれど、たぶん、正しくないのだと思います。
 『名言集』には、古典語が示されています。
λιθοs κυλινδομενοs το φυκοs ου ποιει.
 単語も現代語と違いますけれど、おおよそ分かります。
「石」は、現代語では、πετρα が一般的ですけれど、λιθοs も使います。
φυκοs は、φυκια 「海藻」が近いです。
ποιω は、現代語では使いませんけれど、「作る」という語で、現代語にも派生語が多くあります。
「転がる」という語は、現代では、κυλω です。古典語も語頭は似ているので、直接、つながっている語なのでしょう。(現代語では、でも、転がすが第一義。)
 さて、僕は古典語の文法をまったく知りません。ですので、-μενοs の語尾の動詞の用法は分かりません。けれど、現代語にも、同じ-μενοs 語尾の動詞の語尾はあります。受動完了分詞です。これは、形容詞化されて、連体形の表現に使われます。
でも、それは「〜された」という意味です。κυλω ならば、中動相の受動態は、κυλιεμαι で、その分詞形は κυλημενοs です。「転がされた」という意味になるのだと思います。
(まあ、もともと、石が自分で転ぶこともないでしょうけど)
それで、古典語の意味を、分詞を現在の用法と同じに考えると、
「転がされた石は、海藻を作らない。」になるのでしょうか?

 ともかく、「転がる」を「転がされた」に書き換えるのならば、現代語での作文が、僕にも出来そうです。
 Η κυλημενη πετρα δεν συλλεγει κανενα βρυο.
機械翻訳の文を元にしました。
συλλεγω は、「収集する」で、gather の対応ですね。
不定冠詞の Μια は、英語の冠詞 a を、機械翻訳したものです。冠詞 Η の方がいいと思います。
ποιω を考えるのならば、違う語の方がよさそうですけど。
 Η κυλημενη πετρα δεν γεννα κανενα βρυο.
とか。


 で、結局、連体形の表現は、分かりません…。関係代名詞を使うしか…。
Η πετρα που κυλουσε δεν γεννα κανενα βρυο.
パラタティコスを使うと、ずっと転がっていると言う感じになるかしら?




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2006年02月03日

文中から代名詞を見つける

 ギリシャ語で最も特徴的なのは、代名詞なのかもしれません。
というのも、代名詞が、二つの違う形を持っているからです。その違う形は、使い方にも関係しています。
 代名詞に何があるかと言えば、一人称の「わたし」、二人称の「あなた」、それに三人称の「彼」だということは、ギリシャ語でも同じです。それに、不定の「あるひと」「あるもの」があるでしょう。
 一人称、二人称の代名詞からは、性別が消えます。「わたし」や「あなた」が男性なのか、女性なのか、中性なのかは、問題にされません。けれども、単数と複数の区別はあります。
 三人称の代名詞は、普通の名詞と同様、性別と数で変化します。
 代名詞に冠詞は付きません。

 では、代名詞の役割を見てみます。
主格は、主語となるか、カテゴロメニになるかで、普通名詞と同じです。
「わたし」は、εγω。「わたしたち」は、εμειs。
「あなた」は、εσυ「あなたたち」は、εσειs。
「彼」は、「彼(男性)」が、αυτοs。「彼ら」は、αυτοι。
「彼女(女性)」が、αυτη。「彼女ら」は、αυτεs。
「かれ(中性)」が、αυτο。「かれら」は、αυτα。

属格と対格は、目的語になります。
属格は、間接目的語「〜に」です。対格は、直接目的語「〜を」です。
普通名詞では、属格は、「〜の」と言う帰属の関係を示すのですけれど、代名詞では違っています。(帰属の関係は、後で述べます。)
一人称「わたしに」は、εμενα。「わたしたちに」は、εμαs。
   「わたしを」は、εμενα。「わたしたちを」は、εμαs。
二人称「あなたに」は、εσενα。「あなたたちに」は、εσαs。
   「あなたを」は、εσενα。「あなたたちを」は、εσαs。
属格と対格の形は同じです。
三人称は、対格(〜を)のみです。
   「彼を」は、αυτον。「彼らを」は、αυτουs。
   「彼女を」は、αυτην。「彼女らを」は、αυτεs。
   「かれを」は、αυτο。「かれらを」は、αυτα。
三人称の間接目的語は、前置詞 σε を前に置いて対格を用います。
σε αυτον で、「彼に」を表現します。
 ところで、代名詞には、二つの違う形があると書きましたけれど、上にあげたものは、その一つで、強形といいます。強形を目的語に使うときには、動詞の後に置きます。
 もう一つは、弱形と言いいます。弱形を使うときには、動詞の前に置きます。
弱形は、
   「わたしに」は、μου「わたしたちに」は、μαs
   「わたしを」は、με「わたしたちを」は、μαs
   「あなたに」は、σου「あなたたちに」は、σαs
   「あなたを」は、σε「あなたたちを」は、σαs
   「彼に」は、του「彼らに」は、τουs
   「彼女に」は、τηs「彼女たちに」は、τουs
   「かれに」は、του「かれらに」は、τουs
   「彼を」は、τον「彼らを」は、τουs
   「彼女を」は、την「彼女らを」は、τιs
   「かれを」は、το「かれらを」は、τα

Εγω δινω το μηλο εσενα.(わたしはあなたにリンゴをあげる。)
Σου δινω το μηλο.(わたしはあなたにリンゴをあげる。主語は省略)
Σου το δινω.(わたしはあなたにそれをあげる。)
Εγω δινω το μηλο σε αυτον.(わたしは彼にリンゴをあげる。)
Του δινω το μηλο.(わたしは彼にリンゴをあげる。)
Του το δινω .(わたしは彼にそれをあげる。)
Εσυ χτυπαs εμενα.(あなたはわたしを叩く。)
Με χτυπαs.(あなたはわたしを叩く。主語は省略)

 さて、帰属の関係を示す表現ですけれど、弱形の属格を用いて、所有代名詞とします。名詞の後に置きます。
   το μηλο μου(わたしのリンゴ) το μηλο σου(あなたのリンゴ)
   το μηλο του/τηs(彼の/彼女のリンゴ)
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2006年02月02日

文中から動詞を見つける 7

 動詞の説明に、「ギリシャ語の動詞は、動作の主体が何かを示すことが、重要な役割になっているようです。」と書きました。これについて少し考えをめぐらしますと、動詞は、主体像の形成を担っているとの考えに導かれます。と、捉えるより、(ギリシャ語の世界では)主体は、行為によって、現れている、と考えた方が当たっているのかもしれません。
 さて、とするとです。現れるということには、時間の進み方が不可欠だとすると、動詞には、時間に由来する面があるのは、当然のことかと思われます。
 なので、ギリシャ語の動詞には、時制があります。(のかな?)
 ともかく、時制について。
 時制には、αοριστοs (アオリスト)ενεστωταs (現在)παρατικοs (パラタティコス)があります。それに、未来形、完了形が加えられます。しかしながら、未来形は、小辞を使いますし、完了形は、元の動詞は非人称化されていますから、先の三つが基本のものと考えても良いのではないでしょうか。
 行為・動作と時間との関わり方を見てみましょう。時間の進みを線で考えると、その一点だけで、起る行為があります。また、一方、その線のいくらかの長さを占する行為があります。
 一点だけのものは、→→・→→ こんな感じでしょうか。
 線を領するものは、→[⇒⇒]→ こんな感じでしょうか。
 さて、一点であることが、確実に分かるのは、何時かと考えれば、やはり、過去ということになるでしょう。これが、アオリストです。
 過去→→・→→現在 こんな感じでしょうか。
 それに対して、線であるのが、確実に分かるのも、やはり、過去から現在に至る間でしょう。こちらが、パラタティコス。
 過去→→[⇒⇒]現在 こんな感じでしょうか。
 では、現在形ですけれども、これは、時間の流れの中に置かないで、考えている場合です。一つは、今だけを考えている場合です。もう一つは、今日も現在、昨日も現在、明日も現在、と考えるような場合。例えば、「私は学校に通ってます。」のように、ある一定の期間を現在と考える場合です。
 「3年生の時、△小学校に通ってました。」という場合は、過去の一点と捉えているので、アオリストです。
 「4年から6年までは、□小学校に通っていました。」と言えば、時間の幅があるので、パラタティコスです。
 それから、「何かをしていると、何かが起こった。」のように、二つの動作がある場合は、パラタティコスを使います。
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文中から動詞を見つける 6

 さて、基本的な動詞の変化を記したときに、中動相・完了分詞も挙げました。役割は、形容詞のように修飾するものなのですけれど。でも、中動相についても書かなければならないかと。
 中動相、と言うのは聞き慣れない用語です。(誰がつけた名称でしょうか?)
ギリシャ語の動詞は、次のように分別されます。
 φωνη(相) と、διαθεση(態)
φωνη(相)は、形態上の区分。
-νω の語尾を持つものを、Ενεργητικη φωνη(能動相)と言う。
-ομαι の語尾を持つものを、Μεση φωνη(中動相)という。


διαθεση(態)は、機能上の区分。
態は、能動、受動、反射、中動、の四つがある。

Μεση φωνη(中動相)には、二つの態がある。
 一つ目は、μεση διαθεση(中動態)。
この態には、二つの種類の動詞がある。
1.再帰動詞 着る、など
2.相互の動詞 κοιταζομαι(見つめ合う)、βλεπουμαι(会う)、τσακωνομαι(喧嘩し合う)、など
 次のような動詞があります。
ερχομαι(来る)、σηκωνομαι(目が覚める)、καθομαι(腰をかける)、ετοιμαζομαι(したくをする)、κουραζομαι(くたびれる)、ξεκουραζομαι(休息する)、γυμναζομαι(訓練する)、ντυνομαι(着る)、γδυνομαι(脱ぐ)、λουζομαι(入浴する)、πλυνομαι(身体を洗う)、καθαριζομαι(身体を清潔にする)、ξυριζομαι(ひげを剃る)、σκεφτομαι(熟考する)、χτενιζομαι(自分の髪をとかす)、σερνομαι(這う)、ονειρευμαι(夢を見る)、など。
 そして、最も基本的な状態「〜です、〜である」も、この中動態の示す場合に当たります。「ειμαι 」です。でも、この語は、特別な変化形です。


 二つ目は、παθητικη διαθεση(受動態)
 では、前に例にした「λυνω」を受動態にした場合の変化を示します。

原型
λυνομαι / λυνεσαι / λυνεται / λυνοματε / λυνετε / λυνονται
パラタティコス
λυνομουν / λυνοσουν / λυνοταν / λυνομαστε / λυνοσαστε / λυνονταν
アオリスト
λυθηκα / λυθηκεs / λυθηκε / λυθηκαμε / λυθηκατε / λυθηκαν
θα/να 一回性
λυθω / λυθειs / λυθει / λυθουμε / λυθηειτε / λυθουν
命令形
λυσου / λυθειτε
完了分詞
λυμενοs


 また、ειμαι の変化も示します。
現在形
ειμαι / εισαι / ειναι / ειμαστε / ειστε / ειναι
パラタティコスはありません
アオリスト
ημουν / ησουν / ηταν / ημαστε / ησαστε / ηταν
θα/να に一回性はありません、恒常性は、現在形と同一
現在分詞
ονταs
完了分詞はありません

 それから、φωνηは、中動相なのに、διαθεσηは、能動の動詞があります。
ΑΠΟΘΕΤΙΚΑ(異能動詞)です。
語形が、中動相だけを持つ動詞。その働き(態)は、能動。
異能動詞の例
αισθανομαι(感じる)αντιλαμβανομαι(理解する)δεχομαι(受け取る)διηγουμαι(述べる)εμπιστευομαι(信頼する)επισκεπτομαι(訪問する)εργαζομαι(働く)ευχομαι(願う)εχθρευομαι(憎む)κοιμαμοι(眠る)μαχομαι(戦う)ντρεπομαι(恥じる)σεβομαι(尊敬する)ταλαντευομαι(迷う)υποκρινομαι(演ずる)υποπτευομαι(疑う)φαινομαι(見える)φοβουμαι(恐れる)χαιρουμαι(うれしく思う)
 異能動詞の受動態は、γινομαι、εχω、βρισκω など + 名詞を利用して、冗長活用で表現される。
例文:Οι υπαλληλοι γινοται δεκτοι απο τον διευθυντη.
(従業員達は、社長によって採用をなされた。)
δεχομαι の受動態は、「γινομαι +δεκτοι(δεχομαι の名詞)」で表される。
posted by kyotakaba at 13:26| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文中から動詞を見つける 5

さて、動詞の語尾ですけれども、「・・・νω」が多いとは、書きました。それでは、他の語尾もあるわけです。それらは、
-νω、-θω
-πω(πτω)、-βω、-φω(φτω)
-ευω
-κω(σκω)、-γω、-χω(χνω)
-ζω
です。
 アオリストのときには、ω の前の子音が変ります。「文中から動詞を見つける1」で示したのは、一般的な「-νω」の動詞の変化です。そこでは、子音は、σ に変りました。他のものも並べてみましょう。

-νω、-θω は、-σα。
-πω(πτω)、-βω、-φω(φτω) は、-ψα。
-ευω も、-ψα。-ε が残って、-εψα になるものも。
-κω(σκω)、-γω、-χω(χνω)は、-ξα
になります。
それから、
-ζω は、σα になるものと、ξα になるものがあります。


 中動相のアオリストは、それぞれ、
-σα は、στηκα
-ψα は、φτηκα 、あるいは、φθηκα
-ξα は、χτηκα
アオリストが -ψα のものでも、現在形が -ευω のものは、-ευτηκα です。
-εψα も、-ευτηκα です。


 他に、アオリストのとき、特別な変化をする動詞には、
-βαινω → -βηκα、
βαζω → εβαλα、
βγαζω → εβγαλα、
βγαινω → βγηκα、
βρισκω → βρηκα、
δινω → εδωσα、
καινω → εκαψα、
κλαιω → εκλαψα、
μαθαινω → εμαθα、
μενω → εμεινα、
μπαινω → μπηκα、
παθαινω → επαθα、
παιρνω → πηρα、
πεθαινω → επεθα、
περιμενω → περιμεινα、
πεφτω → επεσα、
などがあります。



 これくらいで、ともかく、文中から動詞を見つける見当はつくのではないでしょうか。
posted by kyotakaba at 12:58| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月01日

『イリアス』と『ギリシャ神話を学ぶひとのために』

『イリアス』アレッサンドロ・バリッコ  草皆伸子 訳
白水社2006年01月刊


『ギリシア神話を学ぶ人のために』高橋宏幸
世界思想社2006年01月刊
『鳥』をキーワードに、ギリシャ神話を解説したものだそうです。
posted by kyotakaba at 15:25| Comment(0) | ギリシャ関連書籍など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文中から動詞を見つける 4

 ギリシャ語には、動詞の直前に置かれて、動詞の性質を変えてしまうものがあります。接頭辞のように、くっ付いているのでもありません。辞書には、μοριο とあります。英語では、particle と。英和で見ると、小辞。でも、小辞というのが、『広辞苑』にもないです。大名辞、小名辞、と言う論理学の用語はありますけれど。ともかく、小さな、一音の語です。
 δεν、θα、να がそれです。
 δεν を、前に置くと、否定を表現します。否定には、別のμοριο があります。μην です。
δεν λυνω と書くと、「解かない」です。動詞の活用は、δεν がない場合と同じです。
パラタティコスは、δεν ελυνα 。
アオリストは、δεν ελυσα 。
完了時制は、δεν εχω λυσει 。
でも、現在分詞は、δεν ではありません、μην を使います。
μην λυνονταs 。
命令法も、μην を使います。μην λυσε 。

 θα を前に置くと、未来の時制を表現します。動詞の活用は、その動作が、恒常的なものか、一時のものかということが顧慮されて、分けられます。
 恒常的な場合は、現在時制と同じ活用です。θα λυνω 。
一時的な場合(ΣΥΝΟΠΤ.)は、別の変化をします。
θα λυσω / θα λυσειs / θα λυσει / θα λυσουμε / θα λυσετε / θα λυσουν 。

 否定の場合は、δεν θα λυνω/λυσω 。


 να は、一つの動詞が、他の動詞を必要な場合に使われます。例えば、「〜するのを始める」とか、「〜することを欲する」とか、「〜することが出来る」などです。να の後の動詞の活用は、θα の場合と同じです。また、να の後の動詞の人称は、その動作をする主体の人称に応じます。「欲する」のが私で、「〜する」のがあなたの場合は、「欲する」は一人称で、「〜する」は二人称です。
 αρχιζω να μαθαινω ελλενηκα απο αυριο.
 αρχιζω να μαθω ελλενικα στιs δυο.
このふたつの文は、
上が、「明日から私はギリシャ語の勉強を始めます。」で、ずっと続くことだと考えています。
下が、「二時に私はギリシャ語の勉強を始めます。」で、一時的なことです。
 θελω να μαθαινω ελλενικα.
 θελω να μαθαινειs ελλενικα.
この二つの文は、
上が、「私はギリシャ語を勉強したいです。」で、
下が、「私は、あなたにギリシャ語を勉強して欲しいです。」です。
 否定の場合は、μην を使います。να の後に置きます。
 θελω να μην μαθαινω ελλενικα.
 「私はギリシャ語を勉強したくない。」
けれども、もちろん、主動詞を否定することも出来ます。
 δεν θελω να μαθαινω ελλενικα.

 να を使う動詞例、
εχω,λεω,επιθυμω(したい),μπορω(出来る),σχεδιαζω(つもりである), προγραμματιζω(計画する),ζηταω(〜と努める),αποφασιζω(決める),σκεφτομαι(しようと思っている),απαγορευω(禁止する)

 非人称のもの、πρεπει να (〜しなけらばならない)、χρειαζεται να (〜する必要がある)

 形容詞に続けての用法、
ειναι πιθανο να(たぶん〜だ), ειναι δυνατο να (〜はありうる),ειναι καλο να (〜は有益だ)
posted by kyotakaba at 09:53| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする