2007年02月27日

Nature in Greece

 ギリシャの自然観察をされている方のブログを見つけたのでメモしておきます。
鳥が主なようです。トンボはありませんでした。

Nature in Greece

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2007年02月14日

ティ セ レネ

 外国語を学ぶ場合、まず挨拶の語から始めることが多い様です。教室に通うにしても、挨拶の語を最初に覚えることは必要なことかもしれません。また、何所の言語にしても、挨拶の語は、ある種の符号であるので、何かの意味をなしているということもないでしょう。ですから、そのまま覚えれば言い訳ですから。
 現代ギリシャ語では、「ヤー・サス」が挨拶の言葉です。もちろん、言葉そのものの意味はあるのですけれど、それは考える必要はなく、挨拶の言葉として使えばいいでしょう。
 ただ、このように言葉を始めることには、疑問もあります。会話を交わすことだけに目を奪われていると、語を文に構成する仕組みを見逃すことになるのではないかと、心配するからです。
 現代ギリシャ語の場合を見てみましょう。「ヤー・サス」と挨拶を交わしたのち、次には、名前を尋ねることになるかもしれません。現代ギリシャ語では、「ティ・セ・レネ」といいます。このように聞こえれば、自分の名前を答えれば、会話は成立します。例えば、「メ・レネ・タロウ」。
 けれども、この発語を聞いて、各語がどのような語義で、それがどのように文に組み立てているかを、外国人であるものは想像出来るでしょうか。
 実は、この会話の文は、現代ギリシャ語の文法をある程度知っていないと、理解が出来ないのではないかと思うのです。
 この言い方は、英語での「What is your name?」とは、意味の上では対応しますが、文としては対応していません。答えも、「My name is Taro.」ではありません。対応の文を作ると、「What do people call you? 」「They call me Taro.」です。
 「What」に対応している語、疑問副詞は、「ティ Τι」です。これはそのまま分かると思います。「call」が「レネ λενε」です。動詞です。「do」に当たる言葉はありません。それは、英語の疑問文を作る仕組みでは、「do」が必要なのですけれど、ギリシャ語ではそうではないからです。「people」に当たる語もありません。これもギリシャ語では必要ないからです。「you」は「セ σε」です。
 こうして見ると、英語では五つの語が必要だったのが、現代ギリシャ語では三つになっています。また、語順も違います。これが仕組みの違いです。
 また、動詞「レネ λενε」は、文の中で働いているので、その働きに応じて、もとの語形からは変化しています。ギリシャ語の動詞は、その動作の主体の人称と数それに時制に応じて変化します。しかも、「レネ λενε」は、日常的な語なのですが、その変化はギリシャ語教科書に最初に出て来るような基本変化ではありません。辞書の見出し語は、「λεγω」です。けれども日常は、「λεω」と言います。「レネ λενε」は、その三人称複数形です。時制は現在時制。この動詞の形で動作の主体は想像出来ますので、英語で言う主語は省かれます。
 「セ σε」は、英語の「you」と同じく、二人称の代名詞です。けれども、この代名詞が、文中の立場に応じて大きく変化するものなのです。ここでは、「あなたを」という目的語です、ですのでそれに応じた対格の形になります。その上、ギリシャ語の代名詞には、強形と弱形の区別があります。ここでは弱形を使います。代名詞「あなた」のもとの形は「εσυ」です。対格の強形は「εσα ς」、弱形は「σε」です。強形と弱形では動詞に対しての位置が違っています。強形は動詞の後ろに、弱形は動詞の前に置かれます。ギリシャ語では、目的語を先に置き、動詞が最後に来るのが好まれます。「わたしを」は「με」です。単数一人称代名詞「εγω」の弱形の対格です。
 「タロウ Ταρου」は、カテゴロメニ(英語の補語)なので、主格です。
 こうして、「Τι σε λενε;」「Με λενε Ταρου.」という文が出来上がっています。
 このように、ごく日常的な会話にも関わらず、その仕組みは随分と入り組んでいます。一語一語をどうつなげて意味のある文にするのか、それを知らないまま覚えていたのでは、反って、理解の妨げになるのではないかと、心配するのです。
 しかも、会話は、往々にして、不完全な文でなされています。それでも、通じるからです。それは、言葉ではなく、その場の状況や態度などで、お互いに相手の意図を忖度しながら話すからです。実は、この相手の意味を前もって類推して相手の言葉を聞く、ということが言葉の理解には大きな役割を果たしています。
 ですので、言葉の理解という観点からは、外国語を会話で学ぶということは、実は大変大きな危険性をはらんでいると思うのです。各言語は、その認識の枠組みを独自に持っています。そこに気を配りながら学ばなければならないと思うのです。



追記
λεω = call ではありません。λεω の基本語義は、say「言う」です。
posted by kyotakaba at 16:09| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月08日

the Athens

 ギリシャの首都の都市名は、アテネです。でも、これは、もちろん、日本語。国名は、日本語では、ギリシャ共和国、ですね。国名を英語では、Hellenic Repablic と表記します。ヘレニック・リパブリック。Greece は使わないのですね。ギリシャ語表記は、Η ΕΛΛΗΝΙΚΗ ΔΗΜΟΚΡΑΤΙΑ 。イ・エレニキ・デモクラティア。
 さて、アテネですが、英語表記は、the Athens です。アセンズ。s が付いて、複数形です。今まで気にしてませんでした。そういうものなのだろうとしか思っていませんでした。複数なんですね。アテネ人たちがいる所、ということなのでしょうか。それとも、アテネには、丘がたくさんあるからでしょうか。アテネ女神を祀る所がたくさんあるからでしょうか。分かりません。ギリシャの都市名には、他にも幾つか複数形になっているものがあるのだそうです。英語表記の都市名は、それに倣っているのでしょう。
 ですけれど、the Athens が複数形だと聞いて、驚きました。というのは、現代ギリシャ語では、単数だからです。複数形になっているのは、古典語なのです。
 現代ギリシャ語では、アテネは、η Αθήνα です。女性名詞。冠詞や語尾から分かるように単数です。アシーナ。ギリシャ語を習い始めて、直ぐに、アクセント位置で意味が違う語の例として出会います。女神アシナーの綴りが同じですから。η Αθηνά 。都市アテネは、η にアクセント。女神アテネは、語尾のα にアクセント。
 古典語で都市名が複数形になっているのには、何か理由があるのでしょう。けれども、現代語では単数形になっているのは、外国語として接するものには、理解しやすいです。
posted by kyotakaba at 09:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月07日

古典ギリシア

 現代ではなく古典関係です。
高津 春繁先生の『古典ギリシア』が、講談社学術文庫になりました。
on Amazon

posted by kyotakaba at 11:47| Comment(0) | ギリシャ関連書籍など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月06日

σταυρόλεξο

 『石の葬式』の中に、クロスワードを解く描写がありました。クロスワードには、興味を引かれます。そこの部分を読んでみます。

原文は、
「 Ο γιατρός Πανετελέων κάθισε στο γραφείο του. Γύρισε τη σελίδα στο σταυρόλεξο κι έπιασε ξανά την πένα. 《“Ακολουθεί ξέσπασμα οργής - ή πάτημα κουμπιού"》, διάβασε. 《 Έξι γράματα. Τι λες ; 》
Το κορίτσι σήκωσε ξανά τους ώμουσ. Κοίταξε το γιατρό κι έπαιξε με την ταινία.
《 “Σ - τ - ά - σ - ι - ς"》, απάντησε ο ίδιος, συμπληρώνοντας τα τετράγωνα. 《Εύκολο》.」

私の試訳は、

 パンデレオン医師は、彼の事務机についた。クロスワードのページに戻り、再び、ペンを執った。
「癇癪が引き起こす。- 足踏みスイッチ。」
と、読み上げた。
「六文字、何と言いますか?」
 娘は、再び、肩をそびやかした。医師を見つめ、リボンで戯れた。
「Σ - τ - ά - σ - ι - ς」
升目を埋めながら、本人が答えた。「簡単。」  
 」


 クロスワードと言う語は、「σταυρόλεξο」(中性名詞)です。
クロスワードの語を、小説中で翻訳するのは大変だと思います。ギリシャ語をそのまま、他の語に移すわけにはいかないでしょうから。含意があるかもしれませんし。
 ここの描写で、使われたのは、「Σ - τ - ά - σ - ι - ς」と言う語でした。カサレブサです。現代語では、σταση (女性名詞)です。これだと五文字ですね。
 「σταση」は、停止という語義です。「ξέσπασμα οργής (突然の怒り)」に続いて起こるというのは、病名の様です。脳溢血のようなものでしょうか。また、「σταση」は、日常的にはバス停をさして使います。足で踏むスイッチというのは、乗客がバスを止める時のスイッチが床に付いているのでしょうか。
 「τετράγωνα」(中性名詞複数) は、「正方形」という語義です。クロスワードの升目だと思います。
 このクロスワード、私には「δυσκολο (難しい)」でした。

posted by kyotakaba at 19:09| Comment(0) | お話から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする