2008年11月19日

実詞と実詞との関係での属格

 このところ、「ギリシャ語 属格」での検索が何度かあります。私のこのブログは、現代ギリシャ語学習のためのものです。古典語ではありません。古典語の文法は、また違ったものだと思います。
属格:Γενική

 属格については、以前に一度書いていました。

2006年12月07日

これは、動詞に対しての実詞の属格の働きについてでした。
 それとは別に、実詞と実詞との関係での属格の働きを備忘します。
(書いていたかもしれませんが)

 一つの実詞を修飾するために、もう一つの実詞を続けて並べる場合があります。
 その場合には、修飾する方の実詞は属格になります。
その修飾には、「所有」「原因」「性質」「比較」「対象」「主語」の場合があります。

「所有 κτήση」の場合:
Το βιβλίο του Γιάννη. ヤニスの本。

「原因 αιτία」の場合:
η θύμα της πυρκαγιάς. 火災の被害者。

「性質 ιδιότητα」の場合:
ο αέρας της θάλασσας. 海の風。

「比較 σύγκριση」の場合:
Ο Γιάννης είναι ο έξυποτερος της τάξης. ヤニスはクラスで一番賢い。

「対象 αντικείμενο」の場合:
η φροντίδα του σπιτιού. 家の世話。

「意味上の主語 υποκείμονο」の場合:
το σφύριγμα του ανέμου. 風の音。(風が音をたてる。)
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2007年02月14日

ティ セ レネ

 外国語を学ぶ場合、まず挨拶の語から始めることが多い様です。教室に通うにしても、挨拶の語を最初に覚えることは必要なことかもしれません。また、何所の言語にしても、挨拶の語は、ある種の符号であるので、何かの意味をなしているということもないでしょう。ですから、そのまま覚えれば言い訳ですから。
 現代ギリシャ語では、「ヤー・サス」が挨拶の言葉です。もちろん、言葉そのものの意味はあるのですけれど、それは考える必要はなく、挨拶の言葉として使えばいいでしょう。
 ただ、このように言葉を始めることには、疑問もあります。会話を交わすことだけに目を奪われていると、語を文に構成する仕組みを見逃すことになるのではないかと、心配するからです。
 現代ギリシャ語の場合を見てみましょう。「ヤー・サス」と挨拶を交わしたのち、次には、名前を尋ねることになるかもしれません。現代ギリシャ語では、「ティ・セ・レネ」といいます。このように聞こえれば、自分の名前を答えれば、会話は成立します。例えば、「メ・レネ・タロウ」。
 けれども、この発語を聞いて、各語がどのような語義で、それがどのように文に組み立てているかを、外国人であるものは想像出来るでしょうか。
 実は、この会話の文は、現代ギリシャ語の文法をある程度知っていないと、理解が出来ないのではないかと思うのです。
 この言い方は、英語での「What is your name?」とは、意味の上では対応しますが、文としては対応していません。答えも、「My name is Taro.」ではありません。対応の文を作ると、「What do people call you? 」「They call me Taro.」です。
 「What」に対応している語、疑問副詞は、「ティ Τι」です。これはそのまま分かると思います。「call」が「レネ λενε」です。動詞です。「do」に当たる言葉はありません。それは、英語の疑問文を作る仕組みでは、「do」が必要なのですけれど、ギリシャ語ではそうではないからです。「people」に当たる語もありません。これもギリシャ語では必要ないからです。「you」は「セ σε」です。
 こうして見ると、英語では五つの語が必要だったのが、現代ギリシャ語では三つになっています。また、語順も違います。これが仕組みの違いです。
 また、動詞「レネ λενε」は、文の中で働いているので、その働きに応じて、もとの語形からは変化しています。ギリシャ語の動詞は、その動作の主体の人称と数それに時制に応じて変化します。しかも、「レネ λενε」は、日常的な語なのですが、その変化はギリシャ語教科書に最初に出て来るような基本変化ではありません。辞書の見出し語は、「λεγω」です。けれども日常は、「λεω」と言います。「レネ λενε」は、その三人称複数形です。時制は現在時制。この動詞の形で動作の主体は想像出来ますので、英語で言う主語は省かれます。
 「セ σε」は、英語の「you」と同じく、二人称の代名詞です。けれども、この代名詞が、文中の立場に応じて大きく変化するものなのです。ここでは、「あなたを」という目的語です、ですのでそれに応じた対格の形になります。その上、ギリシャ語の代名詞には、強形と弱形の区別があります。ここでは弱形を使います。代名詞「あなた」のもとの形は「εσυ」です。対格の強形は「εσα ς」、弱形は「σε」です。強形と弱形では動詞に対しての位置が違っています。強形は動詞の後ろに、弱形は動詞の前に置かれます。ギリシャ語では、目的語を先に置き、動詞が最後に来るのが好まれます。「わたしを」は「με」です。単数一人称代名詞「εγω」の弱形の対格です。
 「タロウ Ταρου」は、カテゴロメニ(英語の補語)なので、主格です。
 こうして、「Τι σε λενε;」「Με λενε Ταρου.」という文が出来上がっています。
 このように、ごく日常的な会話にも関わらず、その仕組みは随分と入り組んでいます。一語一語をどうつなげて意味のある文にするのか、それを知らないまま覚えていたのでは、反って、理解の妨げになるのではないかと、心配するのです。
 しかも、会話は、往々にして、不完全な文でなされています。それでも、通じるからです。それは、言葉ではなく、その場の状況や態度などで、お互いに相手の意図を忖度しながら話すからです。実は、この相手の意味を前もって類推して相手の言葉を聞く、ということが言葉の理解には大きな役割を果たしています。
 ですので、言葉の理解という観点からは、外国語を会話で学ぶということは、実は大変大きな危険性をはらんでいると思うのです。各言語は、その認識の枠組みを独自に持っています。そこに気を配りながら学ばなければならないと思うのです。



追記
λεω = call ではありません。λεω の基本語義は、say「言う」です。
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2007年01月24日

実詞(と形容詞)の格

 前の記事で、「呼格」ということを書きました。これも、実詞の格変化の一つです。呼びかける時に使います。女性名詞は、対格と同じです。中性名詞も、対格と同じなのですが、中性名詞だけで使うことは稀なのだとのこと。παδί μου の様に、使うと。
 冠詞は取りません。
 男性名詞は、幾通りかあります。
-ης 、-ας の場合は、対格と同じです。
-ος の場合は、二通り、
 二音節の語は、語尾シグマを取ります。
 三音節以上の場合は、語尾の-ος を取って、-ε に変えます。
例:アレクサンドロス→アレクサンドレ

また、κύριος も、κύριε になります。

 複数は主格と同じです。



 このように、呼格と言う格もあるのですが、簡単な文法書では、格変化の表に書かれてないことが多いようです。それで、現代ギリシャ語の格は、少なくなって、主格、属格、対格の三つだけだと説明してあります。ですけれど、実際には、呼格もあります。
 また、前にも書きましたけれど、属格が間接目的語の働きをすることがあります。特に、代名詞の弱形は、よく使います。これも、実は与格ではないのかと思います。与格が属格と同じで、しかも、実詞のものは、現代ギリシャ語では、ほとんど使わないので、触れられてないのではと思います。
 現代ギリシャ語を読む場合は、言葉の機能を考えるならば、実詞の格は、主格、属格、対格、与格、呼格、の五つの格があると、頭に置いておいた方がいいのではないかと思います。
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2006年12月07日

実詞の属格

 実詞(名詞)の属格のことです。あるwebページに、属格は、英語の文法用語での所有格のことだ、と書いてあるのをみました。まったく間違いではないのですが、正確ではありませんので、備忘しておこうと思います。

 属格は、実詞の文中での役割(立場)を示す語です。
例文を使いながら、見て行こうと思います。

「少年は、犬を海に連れて行く。」

 この文を見てみましょう。この文は、四つの語が集まって出来ています。一つの動詞と、三つの実詞です。
 動詞は、「連れて行く」です。
 実詞は、「少年」「犬」「海」です。

 さて、三つの実詞「少年」「犬」「海」は、この文中の動詞「連れて行く」に対して、それぞれ違った役割を担っています。(違う立場にあります)
 「少年」は、動詞「連れて行く」が示す動作を行うものです。動作の主体。この役割にある実詞を、「主格」と言います。
 他の二つの実詞「犬」「海」は、動作を受けるものです。動作の客体。けれども、動作を受けることでは同じなのですが、その役割(立場)は違ったものです。
 「犬」は、少年に綱を付けられて引かれて行くのでしょうか。少年から、直接動作を受ける立場です。この場合、「犬」と言う語は、動作を受ける立場(役割)にあります。その実詞を「対格」と言います。
 「海」は、「犬」がそこへ連れて行かれる場所です。動作の結果を受ける立場(役割)です。動作の結果、「犬」は「海」に帰属することになります。(海という場所にいることになります。) この立場の実詞を「属格」と言います。
 英語で馴染んだ文法用語で言えば、直接目的語が「対格」で、間接目的語が「属格」です。
 さて、上の実詞を現代ギリシャ語にすると、
 少年:αγόρι (中性名詞)
 犬 :σκύλος (男性名詞)
 海 :θάλασσα (女性名詞)

 です、それぞれを、この文中の役割の形にすると、

 Το αγόρι (主格)
 τον σκύλο (対格)
 της θάλλασας (属格)

 です。ですので、これを文にすると、

 Το αγόρι παίρνει της θάλασσας τον σκύλο.

 です。けれども、これは原理的な使い方です。現代ギリシャ語では、あまり見ない使い方なのです。普段の現代ギリシャ語では、属格の部分を、前置詞+対格で代用しています。上の文も、普段では、

 Το αγόρι παίρνει τον σκύλο για την θάλασσα.

 です。


 このように、属格の動詞に対しての役割は、用いられることが少なくなったのですが、
一方、実詞同士の関係では、使っています。
 Ο σκύλος της θάλασσας
 のような場合です。「海の犬」と言うように、英語の所有格と似た役割です。

 このように、「属格」の役割は一つではありません。間接目的語として使うことも稀ですがあります。

 古典語では、与格があります。間接目的語は、この与格がその役割を担っています。現代ギリシャ語では、与格がなくなっています。それで、属格が代行しているのだと思います。なので、あまり使わないのか知ら。代名詞の弱形では、対格を直接目的語、属格を間接目的語に使います。




ギリシャ語部分は、語尾シグマとアクセント母音は文字コードで入力しています。
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2006年06月10日

文中から接続詞を見つける

 接続詞を並べて見ます。接続詞は、語形の変化はありません。けれども、接続詞によっては、決まった時制を動詞に要求するものがあります。

ごく基本的な接続詞(そして)
και


順接:「それで」の類
λοιπον, ωστε, αρα, επομενωs
ωστε のかわりに που を使うことも


理由:「なので」の類
αφου, γιατι, επιδι
σαν


選択:「あるいは」
η, ειτε


時間の接続詞
αφου 「したあとで」
πριν 「する前に」
μοριs 「すると直ぐ」
ενω 「している間に」

逆説:「けれども」
αλλα, ομωs

「したのに、しているのに」の類
αν και, μολονοτι, παρα

否定の接続:「〜もまた・・でない」の類
ουτε, μητε
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2006年05月09日

文中から副詞を見つける 4

様態を示す副詞を並べてみます。

καλα (上手く)
ωραια (すばらしく)
απολυτωs (完全に)
ασφαλωs (安全に)
αρκετα (十分に)

καλωs (上手に)
ακριβωs (正確に)
εντελωs (完璧に)

ευτυχωs (幸運に)

ευχαριστωs (喜んで)

κακα (拙く)
απαισα (運悪く)
ματαια (無為に)

ξαφνικα (突然に)
συνεχωs (続けて)

καπωs (どうにか)
αλλιωs (別に)
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2006年04月26日

文中から副詞を見つける 3

 量、程度の副詞を並べてみます。


τοσο (それほど、同じほど)
οσο (同じほど)
εξισου (等しく)

πολυ (多く)
καμποσο (かなり、相当に)
ολο (全部)
ολοτελα (十分に、全部)
αρκετα (十分に)
μαλλον (もっと、かなり、むしろ)

περιπου (だいたい)
πανω-κατω (おおよそ、上下に)
σχεδον (ほとんど)

μονο (単に、〜だけ)

λιγο (少し)
τουλαχιστο (少なくとも、せめて)
ελαχιστα (非常に少なく、ほとんどない)
μολιs (ほとんどない)
καθολου (全くない)

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2006年03月20日

小辞

 「動詞を見つける」の中で、小辞のことを書きました。小辞というのが、何なのか分かりませんでした。それで、友人に聞いてみましたところ、次のような説明を受けました。
 「それ以上分割できないような語であり、語形の変化を受けないもの。特定の用法に用いる。英語で言えば、冠詞、前置詞が、小辞である。」
 なるほど、大きな分類なのですね。ギリシャ語だと、冠詞は、変化するから、小辞ではないですね。
 δεν、θα、να が、小辞とだけ分類されているのは、それ以上の文法上の分け方をしていないからなのでしょうか?それとも、日本語に対応する語がないからか知ら。
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文中から副詞を見つける 2

 副詞は、形容詞から派生しています。そうだとすると、形容詞が持っていた機能も、受け継いでいるのではないでしょうか。というのは、副詞で表現しようとする内容にも、比較をする場面が考えられるからです。
 で、副詞も、形容詞と同様に、πιο を用いるか、あるいは、語尾の変化で、比較の表現を行います。
 Αυτη ταξιδεψε πιο μακρια απο τον πατερα.
 (彼女は、父よりも遠くに旅をした。)
 Αυτοs πεταει την μπαλα μακριοτερα απο την ξαδελφη.
 (彼は、従姉よりも遠くにボールを投げる。)

 ところが、副詞には、冠詞をつけるわけにはいきません。それなので、相関関係がある場合、最上級の表現はできません。例えば、「彼女は、クラスの中で、一番上手に踊ります。」という内容は、相対的な最上級を使って表現することはできません。けれども、絶対的な(比較する相手がない場合)最上級表現はあります。それは、「彼女は、とても上手に踊ります。」というような内容の文です。
 その場合は、πολυ を用いるか、あるいは、-οτατα の語尾を使います。
 Αυτη μενει πολυ κονδα στην Ακριπολη.
 (彼女はアクロポリスのとても近くに住んでいます。)
 Αυτοs εβαλε την μπαλα στο κεντρο του στοχου κονδοτατα.
 (彼は、的のとても近くにボールを当てた。)

 上に挙げた、「彼女はクラスで一番上手に踊ります。」という内容は、「彼女は、クラスの全員よりも上手に踊ります。」と言う比較級の表現で示すか、あるいは、「彼女は、クラスで一番の踊り手です。」と言う名詞での表現にするか、ではないでしょうか。
 Αυτη χορευει ωραιοτερα απο ολα τηs ταξηs.
 Αυτη ειναι η πρωτα χορευτρια απο την ταξη τηs.

 さて、それで、場所の副詞の例を並べてみます。

πουθενα (どこかに)
καπου (どこかに)
αλλου (ほかの場所に)
εδω (ここに)
εκει (そこに)
παντου (どこでも)
οπου (その場所で)
πανω (上に)
κατω (下に)
μεσα (中に)
εξω (外に)
μπροs (前に)
μπροστα (前に)
πισω (後ろに)
δεξια (右に)/αριστερα (左に)
ψηλα (高く)
χαμηλα (低く)
κοντα (近くに)
μακρια (遠くに)
αναμεσα (間に)
ανατολικα (東に)/δυτικα(西に)/βορεια(北に)/νοτια (南に)
γυρω (周囲に)
πλαι (となりに)
διπλα (並んで)
μεταξυ (〜の間に)
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2006年03月17日

文中から副詞を見つける 1

 副詞です。副詞は、動作の様子を、より詳細に示す働きをします。動作が、行われる条件を示したりします。時間であったり、場所であったりします。また、動作の様態を示します。程度であるとか、方法であるとかをです。
 さて、副詞は、形容詞の三人称複数形の形を用います。
例えば、αργοs(遅い)の三人称主格複数形 αργα が、副詞の「遅く」の意味で使われます。
 Αυτοs ηρθε στο γραφειο αργα. (彼は、遅く、事務所に来た。)
 Αυτη περπατα αργα. (彼女は、ゆっくり歩く。)
 Αυτοs γυρισε στο σπιτι δικο του γρηγορα. (彼は、早く自分の家に帰った。)
 Αυτη φλυαρει γρηγορα.(彼女は、早く喋る。)

 さて、このブログの名前に使っている「シガシガ」も副詞です。「ゆっくりゆっくり」という意味です。σιγα-σιγα です。これは、元になる形容詞がありません。

 そこで、副詞(のみのもの)の例をいくつか挙げておきましょう。
まず、時間に関するものです。

τωρα (今)
καποτε (あるとき) μια μερα(ある日)
καπου καπου (時々)
ποτε (いつか) ε にアクセント!
ποτε-ποτε (ときどき) ο にアクセント!!
τοτε (その時) απο τοτε που (〜した時以来)
αλλοτε (いつか:過去の場合も、未来の場合も)
παντα (いつも)
συχνα (しばしば)
σπανιωs (まれに)

πρωτα (はじめに)
υστερα (そのあとで)
μετα (〜の後に)
αμεσωs (直ちに)
πριν (以前に)

σημερα (今日)
χτεs (昨日) προχτεs (おととい)
αυριο (明日) μεθαυριο (あさって)
φτεs (今年)
περσι (去年)
του χρονου (来年) この属格形で「去年」なのだそうで…

νωριs (朝早く)
το βραδυ (晩) 冠詞をつけて副詞になる、ということなので…
 
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2006年02月21日

文中から前置詞を見つける

 動詞には、δεν、θα のように、動詞の性格を変える小さな語がありました。これは、その小辞と動詞だけでなされるものでした。
 ところで、動詞の示している動作を、より詳しく叙述しようとする表現が必要になることは、よくあります。
 その場合には、また別の小さな語を使用します。前置詞です。前置詞に導かれて、実詞、あるいは、να -節が、動詞と結びつけることが出来ます。それによって、動詞が向かう方向や、手段、状況などが表現できます。
 前置詞は、文中に、単独で使われることはありません。必ず、実詞か、節をともないます。最も頻繁に使われる前置詞は、με、σε だと思います。これは、代名詞と同じ形なので、間違えるかもしれません。けれども、代名詞は単独で使われているので、見分けられると思います。
 前置詞には、前置詞だけのものと、接頭語になり複合語を作るものとがあります。
 前置詞だけのものは、
με、σε、για、χωριs(〜なしで)、ωs(まで)、εωs(まで)、ισαμε(まで)、μεχρι、πλην(〜を除いて) などがあります。
με は、英語のwith のように、付帯を示したり、手段を示したりします。
γιαは、英語のfor のように、方向を示したり、理由を示したりします。
σε は、英語のto のように、方向や目的を示します。また、σε は、後の冠詞と一体になります。στον、στην、στο のように。
これらは、後に続く実詞は、対格です。
属格が続く前置詞には、
μεταξυ(〜の中に)、εναντιον(〜に反して)、ανευ(〜のない)、ενακα(〜のために)、ενωπιον(の前で) などがあります。
後に置かれるものもあります。
χαριν [属格+χαριν](利益・目的・理由)のために
慣用表現:λογου χαριν (例えば)略表記:λ.χ. 、παραδειγματοs χαριν (例)略表記:π.χ. 。
 接頭語になるものには、
αντι(の代わりに:属格)、απο(〜から)、επι(の上に)、κατα(の方へ)、μετα(の後)、παρα(並んで)、υπο(下に)、δια(ために)、αμφι(回りに)、περι(まわりに)、προ(の前に)、προσ(関して)、συν(と共に)、υπερ(賛成して)があります。

Χορευω με την αδελφη μου.(わたしは妹と踊る)
Χορευω με να τραγουδω.(わたしは歌いながら踊る)
Χορευω στην σκηνη.(わたしは舞台で踊る)
Χορευω για τον αδελφο μου.(わたしは兄のために踊る)
Χορευω χωριs μουσικη.(わたしは音楽なしで踊る)
Χορευω αντι τηs μητεραs μου.(わたしは母の代わりに踊る)
Χορευω ωs την νυχτα απο το πρωι.(わたしは朝から晩まで踊る)
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2006年02月17日

文中から形容詞を見つける 3

 形容詞で、 -οs/-η/-ο 以外の語尾を持つ物を覚書します。

 まず、計量の形容詞に、違った語尾を持つものがあります。
語尾は、-υs / -ια / -υ です。(υ/α/υ にアクセント。)
βαθυs(深い)、βαρυs(重い)、ελαφρυs(軽い)、μακρυs(長い)、πλατυs(広い)、φαρδυs(広い)など。
ο βαθυs /του βαθιου / τον βαθυ
οι βαθιοι / των βαθιων / τουs βαθιουs

η βαθια / τηs βαθιαs / την βαθια
οι βαθιεs / των βαθιων / τιs βαθιεs

το βαθυ / του βαθιου / το βαθυ
τα βαθια / των βαθιων / τα βαθια

 この語尾で、女性形が-εια になるものがあります。
この語は、女性形と、中性形が、そのまま名詞に使われます。
οξυs /οξεια(鋭アクセント) / οξυ(酸)  「鋭い」と言う形容詞
ταχυs / ταχεια(急行列車) /ταχυ(朝)  「速い」という形容詞
δριμυs / δριμεια(?) /δριμυ(?)      「鋭い」
τραχυs / τραχεια(気管) / τραχυ(?)   「ざらりとした」
βραδυs / βραδια(夕方) / βραδυ(夕方) 「遅い」

 -υs の語尾を持つ文語があります。それは、単数男性・中性の属格が、-εοs 。複数男性主格・対格が、-ειs 。中性主格・対格が、-εα です。


 次に、色の形容詞に、違った語尾が見られます。
語尾は、-ηs / -ια /-ι です。(η/α/ι にアクセント。)
ασημηs(銀色の)、βυσσινηs(深紅色の)、κανεληs(黄褐色の)、καφετηs(茶の)、λαδηs(オリーブ色の)、μενεξεδηs(菫色の)、χρυσαφηs(金色の) など。

ο ασημηs / του ασημιου / τον ασημη
οι ασημιοι / των ασημιων / τουs ασημιουs

η ασημια / τηs ασημιεs / την ασημια
οι ασημιεs / των ασημιων / τιs ασημιεs

το ασημι / του ασημιου / το ασημι
τα ασημια / των ασημιων / τα ασημια


 また、男性主格が-ηs のものには、古典語から再生されて、現代語に使われている語があります。この語尾は、また違っています。
男性、女性の語尾は同じ-ηs です。中性が違います、-εs です。

ο(η) συνεπηs / του(τηs) συνεπουs / τον(την) συνεπη
οι συνεπειs / των συνεπων / τουs(τιs) σνεπειs

το συνεπεs / του σνεπουs / το σνεπη
τα σνεπη / των σνεπωμ / τα σνεπη  「約束を守る」


 それから、複数の語が合成された形容詞には、違った語尾変化を持つ物があります。
単数主格 -ηs / -α / -ικο
複数主格 -ηδεs / -εs / -ικα の語尾を持つものです。
μακαρθμλληs(髪の赤い)、φιλομαθηs(勉強熱心な)などです。

「頑固な」
ο πεισματαρηs / του πεισματαρη / τον πεισματαρη
οι πεισματαρνδεs / των πεισματαρηδων / τουs πεισματραηδεs

η πεισματαρα / τηs πεισματαραs / την πεισματαρεs
οι πεισματαραρεs / των πεισματαρηδων / τιs πεισματαρεs

το πεισματαρικο / του πεισματαρικου / το πεισματαρικο
τα πεισματαρικα / των πεισματαρκιων / τα πεισματαρικα


 これらの形容詞の比較級は、πιο を使います。形容詞語尾変化の比較級は出来ません。


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2006年02月13日

文中から名詞を見つける 2

 名詞の語尾変化の異なっているものを覚書します。

 男性名詞、女性名詞で、語尾にアクセントのあるものは、異なった変化があります。単数の変化にはかわりがありません。複数の語尾に固有の変化があります。
 語尾の母音と、可変の子音の間に、δ が入ります。

男性名詞
ο ψαραs(漁師)
単数主格、ο ψαραs。属格、 του ψαρα。対格、 τον ψαρα。
複数主格、οι ψαραδεs。属格、 των ψαραδων。対格、τουs ψαραδεs。

ο παππουs(おじいちゃん)
単数主格、ο παππουs。属格、 του παππου。対格、 τον παππου。
複数主格、οι παππουδεs。属格、 των παππουδων。対格、 τουs παππουδεs。

女性名詞
η γιαγια(おばあちゃん)
単数主格、η γιαγια。属格、 τηs γιαγιαs。対格、 την γιαγια。
複数主格、οι γιαγιαδεs。属格、 των γιαγιαδων。対格、 τιs γιαγιαδεs。

η αλεπου(キツネ)ちょっとかわった語尾です。
単数主格、η αλεπου。属格、 τηs αλεπουs。対格、 την αλεπου。
複数主格、οι αλεπουδεs。属格、 των αλεπουδων。対格、 τιs αλεπουδεs。

また女性名詞で、語尾が-ση、-ξη、-ψη のものは、また違った変化を複数に持ちます。δではなく、εが入ります。

η λεξη(ことば)
単数主格、η λεξη。属格、τηs λεξηs。対格、την λεξη。
複数主格、οι λεξειs。属格、των λεξεων。対格、τιs λεξειs。



 中性名詞で、異なった変化を持つものには次のようなものがあります。
語尾が、-ον、-αν、-ενのもの。
το προιον(産物)
単数主格、το προιον。属格、του προιοντοs。対格、το προιον
複数主格、τα προιοντα。属格、των προιοντων。対格、τα προιοντα
το συμπαν(宇宙)
単数主格、το συμπαν。属格、το συμπαντοs。対格、το συμπαν。
複数主格、τα συμπαντων。属格、των συμπαντων。対格、τα συμπαντα
το φωνηεν(母音)
単数主格、το φωνηεν。属格、του φωνηεντοs。対格、το φωνηεν。
複数主格、τα φωνηεντα。属格、των φωνηεντων。対格、τα φωνηεντα。
-αsのもの。
το κρεαs(肉)
単数主格、το κρεαs。属格、του κρεατοs。対格、το κρεαs。
複数主格、τα κρεατα。属格、των κρεατων。対格、τα κρεατα。
-ωsのもの。
το φωs(火)
単数主格、το φωs。属格、του φωτοs。対格、το φωs。
複数主格、τα φωτα。属格、των φωτων。対格、τα φωτα。
-οsのもの。
το γεγονοs(出来事)
単数主格、το γεγονοs。属格、του γεγονοτοs。対格、 το γεγονοs。
複数主格、τα γεγονοτα。属格、των γεγονοτων。対格、τα γεγονοτα。


 中性名詞には、動詞から派生したものがあります。-ιμο の語尾を持つものがそうです。
 全ての動詞が、語尾を-ιμο にすれば、名詞になれるのではありません。条件があります。語尾-ω にアクセントのない動詞で、しかも、2音節のものに限ります。
 アオリストの形状を元にします。語頭のε は付けません。変化語尾の-α を除き、-ιμο を付けます。
το παιξιμο(遊び)、το τρεξημο(走ること、ランニング)などです。
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2006年02月12日

文中から冠詞を見つける

 名詞を説明したときに、冠詞も一緒に示しておきました。けれども、また、冠詞だけについて、覚書を書いておきます。

 冠詞には、定冠詞と不定冠詞があります。
 定冠詞は、男性冠詞が、ο。女性冠詞が、 η。中性冠詞が、 το です。
単数・複数の区別と、格による変化があります。
 定冠詞は、後に続く実詞(名詞)が限定的であるか、周知であることを明らかにするために使用されます。
Δεσε τον σκυλο, γιατι θα ερθε ο φιλοs μου.
(犬を繋ぎなさい、友人が来ますから。)
冠詞によって、犬が自家の飼い犬だと示しています。また、友人が、話者の友人だと限定して示しています。

Ο σκυλοs ειναι πιστοs συντροφοs.
(犬は、忠実なパートナーである。)
冠詞は、犬が聞き手にも周知のものだと前提していることを示しています。
また、この場合は、同類の個人あるいは物の全体を示しています。
「犬というものは、忠実なパートナーである。」

冠詞の変化は、
男性単数主客が、ο。属格が、 του。対格が、 τον。
男性複数主格が、οι。 属格、των。対格が、 τουs。
女性単数主格が、η。属格が、 τηs。対格が、 την。
女性複数主格が、οι。属格、 των。対格が、 τιs。
中性単数主格が、το。属格が、 του。対格が、 το。
中性複数主格が、τα。属格、 των。対格が、 τα。

 不定冠詞は、男性が、εναs。女性が、μια。中性が、εναです。
格による変化があります。けれども、複数はありません。
 不定冠詞は、後に続く実詞が、不確定であるか、周知でないことを明らかにするために使用されます。

変化は、
男性主客が、εναs。属格が、 ενοs。対格が、 εναν。
女性主客が、μια。属格が、 μιαs。対格が、 μια。
中性主格が、ενα。属格が、 ενοs。対格が、 ενα。

 しばしば、現代口語では、不定冠詞のかわりに、不定代名詞を用います。
不定代名詞には、複数もあります。(καποιοs、 καποια、καποιο)

1. Διαβαζω το βιβλιο.
2. Διαβαζω ενα βιβλιο.
3. Διαβαζω βιβλια.
1の文は、ある一冊に限定しています。「わたしはあの本を読みます。」
2の文は、一冊というだけで、どの本かは分かりません。「本を読みます。」
3の文は、本というだけで、どの本か、また、その数も不定。(冠詞省略)

 冠詞の省略には、次のような場合があります。
 定冠詞の場合では、
多くあるものの内、その一つを確定することに重点がある場合です。
Το πρωι πινω γαλα και τρωω ψωμι.(朝には、牛乳を飲み、パンを食べます。)
これは、色々ある食物から、牛乳、パンを特定しています。

 不定冠詞の場合では、まず、否定文には、冠詞を用いません。
それから、まったく限定されず概念化された語の場合には、省略します。
βλεπω τηλεοραση.(わたしはテレビを見る。)



 定冠詞τοは、構文を作ります。
Το να ταξιδευειs ειναι ωραια.
(あなたが旅行されるのは、すばらしいです。)
Το πωs περασα αυτη τη νυχτα,δεν λεω.
(わたしがあの夜をどのように過ごしたかを、言わない。)
Το ποσο πολυ η Γεωργια αγαπαει τον Πανο φαινεται.
(ヨルギアがパノスをどれくらいつよく愛しているかは、分かる。)
Το οτι ζει σε μεγαλο σπιτι δεν θα πει οτι ειναι πλουσιουs.
(大きな家に住んでいるということは、裕福だということにはならないだろう。)
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2006年02月11日

文中から動詞を見つける 8

 分詞を広辞苑で見ると、「動詞が変形し,形容詞の機能を持つ。インド-ヨーロッパ語族の諸国語に見られ,英語では現在分詞・過去分詞がある。」とあります。「〜する・・」「〜された・・」ですね。でも,分詞構文の分詞って、形容詞の機能なのかなあ…。(どうも、文法用語ってピンと来なかったりして)
 さて、現代ギリシャ語にも、動詞が、人称や時制によるのではない変化を受けているものがあります。機能が変化させられています。分詞です。言葉を連ねる表現をするために用いられます。能動相の分詞と、中動相・受動の分詞があります。

 能動相の分詞には、現在分詞と現在完了分詞があります。現在分詞は、動詞そのものが変化しています。現在完了分詞は、現在完了時制と同じく、当の動詞の前に、εχω が置かれ、そのεχω が、分詞化されます。
 分詞の形は、動詞の語幹に、-ονταs を付けて作られます。人称、時制による語尾の変化はありません。
 λυνω の現在分詞は、λυνονταs です。現在完了分詞は、εχονταs λυσει です。
 語尾の-ω にアクセントのあるものは、-ωνταs を付けます。
 ρωτω の現在分詞は、ρωτωνταs。現在完了分詞は、εχονταs ρωτησει です。
 能動相の分詞の機能は、連用表現をすることです。副文を作ることもあります。主文の動詞の状況をより詳細に叙述する副文です。τροτιο 様態、χρονο 時間、αυτιο 理由、υποθεση 仮定を示します。
 Ο Νικοs φευγει τρεχονταs.
 (ニコスは、急いで出掛けた。)
 Σουντησα την Μαρια, πηγαινονταs στη δουλεια.
 (私が事務所に行った時、マリアに会った。)
 Η Μρια τρεχονταs εσπασε το ποδι τηs.
 (マリアは走ったために足を折ってしまった。)
 Δουλευονταs, θα αγορασειs αυτοκινητο.
 (あなたが働いたならば、自動車が買えるでしょう。)
副文の現在分詞の、動作の主体は、主文の動詞と同じです。


 中動相・受動の分詞は、連体表現をします。名詞を修飾します。あるいは、形容詞と同じように、補語に使われます。現在完了分詞であることが一般的です。(動詞の活用をまとめた『ΤΑ ΡΗΜΑΤΑ ΤΗΣ ΝΕΑΣ ΕΛΛΗΝΙΚΗΣ』を見ると、現在分詞があるものもあります。例えば、διαλουμαι(崩壊する)、現在分詞は、διαλουμενοs。現在完了分詞は、διαλυμενοs です。)
 分詞の形は、動詞の語幹に、-μενοs を付けて作られます。
中動相アオリスト語尾が、-χτηκαのものは、γμενοs。
-φτηκαのものは、μμενοs。
-στηκαのものは、σμενοs。
-ευτηκαのものは、εμενοs、または、ευμενοs。
中動相現在形語尾が-αινομαιのものは、αμενοs。
 語尾οs は、形容詞と同じ変化をします。修飾する名詞の性と数に応じます。
 Ο Κωστωs εχει παντρευτει απο το 1986.
 (コースタスは1986年から結婚している。)
この現在完了の表現を、分詞を使うと、
 Ο Κωστωs ειναι παντρεμενοs απο το 1986.
となります。
 Ο Κωστωs και Η Μαρια ειναι παντρεμενοι απο το 1986.
このように、主語の数に応じます。

 変った変化のものは、
δοσμενοs(δινω 与える)、καμενοs(καινω 焼く)、ειπωμενοs(λεω 言う)、πορμενοs(παιρνω とる)、σταλμενοs(στελνω 送る)、φαγωμενοs(τρωω 食べる)、ανεβασμενοs(ανεβαινω あがる)、κατεβασμενοs(κατεβαινω おりる)
などです。


 川原辞書を見ると、τρεχων が、受動完了分詞とされています。「走っている」という意味で、現在時制の形容の表現のようです。カサレヴサという古い形を残した語です。このような語は、他にもあるのでしょう。
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2006年02月03日

文中から代名詞を見つける

 ギリシャ語で最も特徴的なのは、代名詞なのかもしれません。
というのも、代名詞が、二つの違う形を持っているからです。その違う形は、使い方にも関係しています。
 代名詞に何があるかと言えば、一人称の「わたし」、二人称の「あなた」、それに三人称の「彼」だということは、ギリシャ語でも同じです。それに、不定の「あるひと」「あるもの」があるでしょう。
 一人称、二人称の代名詞からは、性別が消えます。「わたし」や「あなた」が男性なのか、女性なのか、中性なのかは、問題にされません。けれども、単数と複数の区別はあります。
 三人称の代名詞は、普通の名詞と同様、性別と数で変化します。
 代名詞に冠詞は付きません。

 では、代名詞の役割を見てみます。
主格は、主語となるか、カテゴロメニになるかで、普通名詞と同じです。
「わたし」は、εγω。「わたしたち」は、εμειs。
「あなた」は、εσυ「あなたたち」は、εσειs。
「彼」は、「彼(男性)」が、αυτοs。「彼ら」は、αυτοι。
「彼女(女性)」が、αυτη。「彼女ら」は、αυτεs。
「かれ(中性)」が、αυτο。「かれら」は、αυτα。

属格と対格は、目的語になります。
属格は、間接目的語「〜に」です。対格は、直接目的語「〜を」です。
普通名詞では、属格は、「〜の」と言う帰属の関係を示すのですけれど、代名詞では違っています。(帰属の関係は、後で述べます。)
一人称「わたしに」は、εμενα。「わたしたちに」は、εμαs。
   「わたしを」は、εμενα。「わたしたちを」は、εμαs。
二人称「あなたに」は、εσενα。「あなたたちに」は、εσαs。
   「あなたを」は、εσενα。「あなたたちを」は、εσαs。
属格と対格の形は同じです。
三人称は、対格(〜を)のみです。
   「彼を」は、αυτον。「彼らを」は、αυτουs。
   「彼女を」は、αυτην。「彼女らを」は、αυτεs。
   「かれを」は、αυτο。「かれらを」は、αυτα。
三人称の間接目的語は、前置詞 σε を前に置いて対格を用います。
σε αυτον で、「彼に」を表現します。
 ところで、代名詞には、二つの違う形があると書きましたけれど、上にあげたものは、その一つで、強形といいます。強形を目的語に使うときには、動詞の後に置きます。
 もう一つは、弱形と言いいます。弱形を使うときには、動詞の前に置きます。
弱形は、
   「わたしに」は、μου「わたしたちに」は、μαs
   「わたしを」は、με「わたしたちを」は、μαs
   「あなたに」は、σου「あなたたちに」は、σαs
   「あなたを」は、σε「あなたたちを」は、σαs
   「彼に」は、του「彼らに」は、τουs
   「彼女に」は、τηs「彼女たちに」は、τουs
   「かれに」は、του「かれらに」は、τουs
   「彼を」は、τον「彼らを」は、τουs
   「彼女を」は、την「彼女らを」は、τιs
   「かれを」は、το「かれらを」は、τα

Εγω δινω το μηλο εσενα.(わたしはあなたにリンゴをあげる。)
Σου δινω το μηλο.(わたしはあなたにリンゴをあげる。主語は省略)
Σου το δινω.(わたしはあなたにそれをあげる。)
Εγω δινω το μηλο σε αυτον.(わたしは彼にリンゴをあげる。)
Του δινω το μηλο.(わたしは彼にリンゴをあげる。)
Του το δινω .(わたしは彼にそれをあげる。)
Εσυ χτυπαs εμενα.(あなたはわたしを叩く。)
Με χτυπαs.(あなたはわたしを叩く。主語は省略)

 さて、帰属の関係を示す表現ですけれど、弱形の属格を用いて、所有代名詞とします。名詞の後に置きます。
   το μηλο μου(わたしのリンゴ) το μηλο σου(あなたのリンゴ)
   το μηλο του/τηs(彼の/彼女のリンゴ)
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2006年02月02日

文中から動詞を見つける 7

 動詞の説明に、「ギリシャ語の動詞は、動作の主体が何かを示すことが、重要な役割になっているようです。」と書きました。これについて少し考えをめぐらしますと、動詞は、主体像の形成を担っているとの考えに導かれます。と、捉えるより、(ギリシャ語の世界では)主体は、行為によって、現れている、と考えた方が当たっているのかもしれません。
 さて、とするとです。現れるということには、時間の進み方が不可欠だとすると、動詞には、時間に由来する面があるのは、当然のことかと思われます。
 なので、ギリシャ語の動詞には、時制があります。(のかな?)
 ともかく、時制について。
 時制には、αοριστοs (アオリスト)ενεστωταs (現在)παρατικοs (パラタティコス)があります。それに、未来形、完了形が加えられます。しかしながら、未来形は、小辞を使いますし、完了形は、元の動詞は非人称化されていますから、先の三つが基本のものと考えても良いのではないでしょうか。
 行為・動作と時間との関わり方を見てみましょう。時間の進みを線で考えると、その一点だけで、起る行為があります。また、一方、その線のいくらかの長さを占する行為があります。
 一点だけのものは、→→・→→ こんな感じでしょうか。
 線を領するものは、→[⇒⇒]→ こんな感じでしょうか。
 さて、一点であることが、確実に分かるのは、何時かと考えれば、やはり、過去ということになるでしょう。これが、アオリストです。
 過去→→・→→現在 こんな感じでしょうか。
 それに対して、線であるのが、確実に分かるのも、やはり、過去から現在に至る間でしょう。こちらが、パラタティコス。
 過去→→[⇒⇒]現在 こんな感じでしょうか。
 では、現在形ですけれども、これは、時間の流れの中に置かないで、考えている場合です。一つは、今だけを考えている場合です。もう一つは、今日も現在、昨日も現在、明日も現在、と考えるような場合。例えば、「私は学校に通ってます。」のように、ある一定の期間を現在と考える場合です。
 「3年生の時、△小学校に通ってました。」という場合は、過去の一点と捉えているので、アオリストです。
 「4年から6年までは、□小学校に通っていました。」と言えば、時間の幅があるので、パラタティコスです。
 それから、「何かをしていると、何かが起こった。」のように、二つの動作がある場合は、パラタティコスを使います。
posted by kyotakaba at 13:40| Comment(2) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文中から動詞を見つける 6

 さて、基本的な動詞の変化を記したときに、中動相・完了分詞も挙げました。役割は、形容詞のように修飾するものなのですけれど。でも、中動相についても書かなければならないかと。
 中動相、と言うのは聞き慣れない用語です。(誰がつけた名称でしょうか?)
ギリシャ語の動詞は、次のように分別されます。
 φωνη(相) と、διαθεση(態)
φωνη(相)は、形態上の区分。
-νω の語尾を持つものを、Ενεργητικη φωνη(能動相)と言う。
-ομαι の語尾を持つものを、Μεση φωνη(中動相)という。


διαθεση(態)は、機能上の区分。
態は、能動、受動、反射、中動、の四つがある。

Μεση φωνη(中動相)には、二つの態がある。
 一つ目は、μεση διαθεση(中動態)。
この態には、二つの種類の動詞がある。
1.再帰動詞 着る、など
2.相互の動詞 κοιταζομαι(見つめ合う)、βλεπουμαι(会う)、τσακωνομαι(喧嘩し合う)、など
 次のような動詞があります。
ερχομαι(来る)、σηκωνομαι(目が覚める)、καθομαι(腰をかける)、ετοιμαζομαι(したくをする)、κουραζομαι(くたびれる)、ξεκουραζομαι(休息する)、γυμναζομαι(訓練する)、ντυνομαι(着る)、γδυνομαι(脱ぐ)、λουζομαι(入浴する)、πλυνομαι(身体を洗う)、καθαριζομαι(身体を清潔にする)、ξυριζομαι(ひげを剃る)、σκεφτομαι(熟考する)、χτενιζομαι(自分の髪をとかす)、σερνομαι(這う)、ονειρευμαι(夢を見る)、など。
 そして、最も基本的な状態「〜です、〜である」も、この中動態の示す場合に当たります。「ειμαι 」です。でも、この語は、特別な変化形です。


 二つ目は、παθητικη διαθεση(受動態)
 では、前に例にした「λυνω」を受動態にした場合の変化を示します。

原型
λυνομαι / λυνεσαι / λυνεται / λυνοματε / λυνετε / λυνονται
パラタティコス
λυνομουν / λυνοσουν / λυνοταν / λυνομαστε / λυνοσαστε / λυνονταν
アオリスト
λυθηκα / λυθηκεs / λυθηκε / λυθηκαμε / λυθηκατε / λυθηκαν
θα/να 一回性
λυθω / λυθειs / λυθει / λυθουμε / λυθηειτε / λυθουν
命令形
λυσου / λυθειτε
完了分詞
λυμενοs


 また、ειμαι の変化も示します。
現在形
ειμαι / εισαι / ειναι / ειμαστε / ειστε / ειναι
パラタティコスはありません
アオリスト
ημουν / ησουν / ηταν / ημαστε / ησαστε / ηταν
θα/να に一回性はありません、恒常性は、現在形と同一
現在分詞
ονταs
完了分詞はありません

 それから、φωνηは、中動相なのに、διαθεσηは、能動の動詞があります。
ΑΠΟΘΕΤΙΚΑ(異能動詞)です。
語形が、中動相だけを持つ動詞。その働き(態)は、能動。
異能動詞の例
αισθανομαι(感じる)αντιλαμβανομαι(理解する)δεχομαι(受け取る)διηγουμαι(述べる)εμπιστευομαι(信頼する)επισκεπτομαι(訪問する)εργαζομαι(働く)ευχομαι(願う)εχθρευομαι(憎む)κοιμαμοι(眠る)μαχομαι(戦う)ντρεπομαι(恥じる)σεβομαι(尊敬する)ταλαντευομαι(迷う)υποκρινομαι(演ずる)υποπτευομαι(疑う)φαινομαι(見える)φοβουμαι(恐れる)χαιρουμαι(うれしく思う)
 異能動詞の受動態は、γινομαι、εχω、βρισκω など + 名詞を利用して、冗長活用で表現される。
例文:Οι υπαλληλοι γινοται δεκτοι απο τον διευθυντη.
(従業員達は、社長によって採用をなされた。)
δεχομαι の受動態は、「γινομαι +δεκτοι(δεχομαι の名詞)」で表される。
posted by kyotakaba at 13:26| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文中から動詞を見つける 5

さて、動詞の語尾ですけれども、「・・・νω」が多いとは、書きました。それでは、他の語尾もあるわけです。それらは、
-νω、-θω
-πω(πτω)、-βω、-φω(φτω)
-ευω
-κω(σκω)、-γω、-χω(χνω)
-ζω
です。
 アオリストのときには、ω の前の子音が変ります。「文中から動詞を見つける1」で示したのは、一般的な「-νω」の動詞の変化です。そこでは、子音は、σ に変りました。他のものも並べてみましょう。

-νω、-θω は、-σα。
-πω(πτω)、-βω、-φω(φτω) は、-ψα。
-ευω も、-ψα。-ε が残って、-εψα になるものも。
-κω(σκω)、-γω、-χω(χνω)は、-ξα
になります。
それから、
-ζω は、σα になるものと、ξα になるものがあります。


 中動相のアオリストは、それぞれ、
-σα は、στηκα
-ψα は、φτηκα 、あるいは、φθηκα
-ξα は、χτηκα
アオリストが -ψα のものでも、現在形が -ευω のものは、-ευτηκα です。
-εψα も、-ευτηκα です。


 他に、アオリストのとき、特別な変化をする動詞には、
-βαινω → -βηκα、
βαζω → εβαλα、
βγαζω → εβγαλα、
βγαινω → βγηκα、
βρισκω → βρηκα、
δινω → εδωσα、
καινω → εκαψα、
κλαιω → εκλαψα、
μαθαινω → εμαθα、
μενω → εμεινα、
μπαινω → μπηκα、
παθαινω → επαθα、
παιρνω → πηρα、
πεθαινω → επεθα、
περιμενω → περιμεινα、
πεφτω → επεσα、
などがあります。



 これくらいで、ともかく、文中から動詞を見つける見当はつくのではないでしょうか。
posted by kyotakaba at 12:58| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月01日

文中から動詞を見つける 4

 ギリシャ語には、動詞の直前に置かれて、動詞の性質を変えてしまうものがあります。接頭辞のように、くっ付いているのでもありません。辞書には、μοριο とあります。英語では、particle と。英和で見ると、小辞。でも、小辞というのが、『広辞苑』にもないです。大名辞、小名辞、と言う論理学の用語はありますけれど。ともかく、小さな、一音の語です。
 δεν、θα、να がそれです。
 δεν を、前に置くと、否定を表現します。否定には、別のμοριο があります。μην です。
δεν λυνω と書くと、「解かない」です。動詞の活用は、δεν がない場合と同じです。
パラタティコスは、δεν ελυνα 。
アオリストは、δεν ελυσα 。
完了時制は、δεν εχω λυσει 。
でも、現在分詞は、δεν ではありません、μην を使います。
μην λυνονταs 。
命令法も、μην を使います。μην λυσε 。

 θα を前に置くと、未来の時制を表現します。動詞の活用は、その動作が、恒常的なものか、一時のものかということが顧慮されて、分けられます。
 恒常的な場合は、現在時制と同じ活用です。θα λυνω 。
一時的な場合(ΣΥΝΟΠΤ.)は、別の変化をします。
θα λυσω / θα λυσειs / θα λυσει / θα λυσουμε / θα λυσετε / θα λυσουν 。

 否定の場合は、δεν θα λυνω/λυσω 。


 να は、一つの動詞が、他の動詞を必要な場合に使われます。例えば、「〜するのを始める」とか、「〜することを欲する」とか、「〜することが出来る」などです。να の後の動詞の活用は、θα の場合と同じです。また、να の後の動詞の人称は、その動作をする主体の人称に応じます。「欲する」のが私で、「〜する」のがあなたの場合は、「欲する」は一人称で、「〜する」は二人称です。
 αρχιζω να μαθαινω ελλενηκα απο αυριο.
 αρχιζω να μαθω ελλενικα στιs δυο.
このふたつの文は、
上が、「明日から私はギリシャ語の勉強を始めます。」で、ずっと続くことだと考えています。
下が、「二時に私はギリシャ語の勉強を始めます。」で、一時的なことです。
 θελω να μαθαινω ελλενικα.
 θελω να μαθαινειs ελλενικα.
この二つの文は、
上が、「私はギリシャ語を勉強したいです。」で、
下が、「私は、あなたにギリシャ語を勉強して欲しいです。」です。
 否定の場合は、μην を使います。να の後に置きます。
 θελω να μην μαθαινω ελλενικα.
 「私はギリシャ語を勉強したくない。」
けれども、もちろん、主動詞を否定することも出来ます。
 δεν θελω να μαθαινω ελλενικα.

 να を使う動詞例、
εχω,λεω,επιθυμω(したい),μπορω(出来る),σχεδιαζω(つもりである), προγραμματιζω(計画する),ζηταω(〜と努める),αποφασιζω(決める),σκεφτομαι(しようと思っている),απαγορευω(禁止する)

 非人称のもの、πρεπει να (〜しなけらばならない)、χρειαζεται να (〜する必要がある)

 形容詞に続けての用法、
ειναι πιθανο να(たぶん〜だ), ειναι δυνατο να (〜はありうる),ειναι καλο να (〜は有益だ)
posted by kyotakaba at 09:53| Comment(0) | とっつき文法の覚書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする